はじめての転職活動 総括編

 

プロフィール

社会人5年目のインフラエンジニアです。法学部を卒業して、現職ではクラウド環境にある仮想マシンの運用・運用設計をメインで担当しています。Windows Serverの運用がメインですが、RHELのサーバー運用も行っています。

 

クラウド環境としてはAWSが多く、どれくらいできるかというと、Systems Managerを利用してEC2にCloudWatchエージェントをインストールしてメトリクスとかログの監視設定をすることができるくらいです。

 

バリバリプログラミングできる!というわけではないですが、効率化や自動化のためにPowerShellシェルスクリプトスクリプトを作ったりするのは大好きです。

 

資格としては応用情報、AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト、Azure Fundamentalsなどを持ってます。

 

もともと文系でしたが、以下の理由から今の業界、今の会社、エンジニアというポジションを選びました。

  • 手に職をつければ、休職したり今の会社が嫌になって飛び出しても、別の環境で社会人として復帰できるだろうと思ったから(エンジニアになった理由)
  • 大事な新卒チケットは、未経験でも研修が充実した職場を選んで、「教えてもらえる」という貴重な時間を利用しようと思った。プログラミングがバリバリできるようにならなくても、勉強の方法が分かればあとは自走できると思ったから(今の業界を選んだ理由)
  • まだまだ男性が多い業界・職場のため、女性ならでは活躍の仕方ができると思ったから。女性特有のコミュニケーションがとても苦手なため(今の業界を選んだ理由)
  • 慢性的に人手不足の業界で、今後もIT業界は伸びていくと思ったので、未経験の人間でも採用される余地はあるだろうと思ったから(今の業界を選んだ理由)
  • 幅広い業界のお客様と関われるから。様々な価値観、業界のお客様と関わることで自分の価値観もアップデートや成長に繋がると思ったから(今の会社を選んだ理由)
  • 一緒に働くメンバーが皆ひとが良さそうだったから(今の会社を選んだ理由)

 

 

そんな私が転職活動を始めた理由は前回の記事に書きました。5000文字です。
お気持ち文章が長すぎる。

 

aknynk.hatenablog.com

 

 

転職活動の結果

転職活動期間

2021/7/15~2021/9/20

開始日はエージェントに登録した日、終了日は内定をいただいた日。

利用したエージェント数

6社

応募企業数

  • 応募総数:14社 
  • 書類選考通過:10社(3社 不合格、1社 辞退) 通過率:70%
  • 一次面接通過:4社(4社 不合格 2社 辞退) 通過率:40%
  • 二次面接通過:2社(2社 辞退)
  • 内定:2社

応募したポジション

 

転職活動の流れ

転職エージェントに登録

LinkedIn経由で知り合って利用したエージェントも含めて、合計6社のエージェントにお世話になりました。リクルートエージェントの担当エージェントが私にすごく合っていた。ほかのエージェントは面接の想定質問と回答文のレビューなんて全然してくれなかったけど、リクルートエージェントは細かくフィードバックをくれて、初めての転職活動を安心して乗り切ることができました。

 

初回面接前に、自己紹介では「うちで活躍できるか」を見ている、転職理由では「就職後、辞めないか(定着するか)」を見ている…といった質問の意図をアドバイスしてくれたのがすごく役に立った。

 

「あなたらしくお話できましたか?」

「転職理由として現職の不満点ばかり伝えるのはネガティブな印象を持たれるのでおすすめしませんが、本音を隠して転職をしてもあなたは幸せにはなりません。本音を伝えて採用してくれるところのほうがあなたは安心できるし幸せになれるんですよ」

というエージェントの言葉が、私は自分自身で幸せをつかみ取るんだ!という気持ちにさせてくれました。すごく励みになった。

 

職務経歴書・履歴書を作成する

正直なところ、転職エージェントに登録する前に作成したほうがよかったと思う。転職エージェントに登録してしまうと、面談、アンケート、サイトのフォームの記入等やることが大量に発生して時間に追われてしまう。余裕をもって入念に職務経歴書と履歴書を作成し、そのあと転職エージェントに登録&入念に作成した職務経歴書と履歴書をアップロードしたほうが、より使える担当エージェントが私の担当になってくれたんじゃないかなと思う。

 

今回が初めての転職活動だったので、まずは会社の業績評価に記載した内容をGoogle スプレッドシート に転記することから始めた。それをテキストにざっくりまとめて、そのあと情報の取捨選択を行ってアピールポイントをまとめた職務経歴書を作成した。

 

LinkedInに登録

外資系に行きたいやつはLinkedInに登録しとけ」というツイートを見たのでノリで登録。ガンガン転職エージェントや企業の担当者がメッセージを送ってくる。英語でレジュメを書いたり、英語でエージェントとやりとりしたのが新鮮で楽しかった。

 

大手企業の採用担当からのメッセージに喜んでいざ蓋を開けてみると、実はそのひとは正式な大手企業の社員というわけではなく、大手企業に出向している専属の転職エージェントだった、ということもあった。なんやねんそれ。よくあることなのだろうか…?

 

応募

「話を聞いてみたいな、くらいのレベル感でもいいから応募しとけ」と転職エージェントに言われたのでそのようにした。しかし、話を聞いてみたいなレベルの大して行きたくもない会社の書類選考が通過してしまうと、面接の準備をしなければならず、全くモチベーションが湧かず、面接準備がつらいという状況も発生した。

 

面接

面接は、知らないひとと話せる機会なので本当に楽しかった。

緊張しいなので、ミッフィーのぬいぐるみを膝の上にのせて撫でることで面接を乗り切っていた。

 

コロナ禍のため、全てWEB面接だったのは本当にありがたかった。コロナ前に転職活動をしてきたひとたちを本当に尊敬する。出社後に面接先の企業に出向いていたのかと思うとすごすぎる。超しんどいと思う。

 

WEB面接で困ったことと言えば、そのツールの多さだった。Zoom、Teams、Google Meets、Webex、Amazon Chime等…。使ったことのないツールは事前にテストをした。

 

自己分析

自己分析は、ツイートを全文ダウンロードして現職入社後~現在のツイートを整理した。これは就活のときもやっていた。ツイート数が多いので途中で面倒くさくなった。

 

17年卒の就職活動が終了しました

 

ただ、5年働いてみて、どんなに技術があっても最後は人と人とのやりとりであり、今後10年後20年後と働いていくことを考えたときに、技術を伸ばしていくことはもちろん、自分自身が人間として成長できるような環境で働きたいと考えていた。様々なバックグラウンドを持つメンバーと、様々な業界で様々なシステムを使ってるお客様に対して、働ける環境で、「ああ、そんな考え方があったのか!」と価値観をアップデートさせていけたらいいなと思って、面接でもそういったことを答えていた。

 

転職理由は、前回書いたブログ記事のようなことを簡潔に話した。残業が多すぎるのが嫌なのではなくて、働いた分の給与がもらえないことが嫌で、転職活動を始めたのだと強調した。

 

転職活動の始めのほうに、AWSの面接を受けたのですが(小声)、その際の事前準備が他の会社の面接でもすごく役に立った。STARメソッドという、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Results(結果)といった構成で具体的なエピソードを話すというもの。AWSOur Leadership Principlesという16つ信条に基づくエピソードをひとつひとつSTARメソッドで準備した。面接でよく聞かれる成功体験、失敗体験の引き出しを複数用意した。

以下のサイトが役に立った。

 

interviewgenie.com

www.linkedin.com

www.themuse.com

 

企業分析

企業分析はサイトのホームページ、エージェントからの情報、みん就(みんなの就職活動日記)、OpenWork、転職会議などを見ながら準備した。以下のような想定質問を、各企業ごとに作成した。普通に大変だった。

 

  • 志望理由
    • 現職で培ったスキルを活かせるから
    • 転職理由を払拭できるから
    • 会社の理念に共感したから
  • 入社して何をしたいのか
  • 活かせる経験
  • 実現したいキャリアパス
  • 会社について知っていること

 

企業からのフィードバック

面接後、企業からのフィードバックをもらえることもすごくありがたかった。

よく褒められたこととしては、顧客視点での考えが強いこと、これまでの運用経験、様々なプロジェクトを並行して進めるのが得意であること(現職では6プロジェクト並行して仕事をしている)、積極的な自動化・効率化への取り組み、仕事のスピードが速いこと、分からないことを自ら動いて確認・対応する姿勢があること。

 

ネガティブなフィードバックとしては、スキル不足(CI/CDやコンテナの知識がない)、最新技術をキャッチアップしていけるかどうかが分からないこと。

ネガティブなフィードバックについては今後改善できると思うので、「現職で触る機会がなかったから」といって行動することをあきらめない。自分のAWSアカウントとかでハンズオンをやってみる。

 

内定後

内定後、会社に退職報告をする前

現職のえらい人に、「(○○という分野の)第一人者として期待しています」と言われた。

現職で私に期待してくれていること、(自分で言うのもなんだけど)私が若手のエースであることを理解しながらも、その期待に応えられない罪悪感で精神的につらかった。仕事を任されても、「いや、もう私に期待されてももう辞める予定なのですが……」の気持ちで後ろめたい。あなたが期待している私はもう何か月後にはいなくなるんですよ。

 

会社のひとたちは誰かがいきなり辞めるなんて考えてないような顔で働いていて、私もいきなり辞めるような顔はせずいつも通り働いていて、それなのに私は転職活動をしていて辞める気持ちになっている。みんな転職間際のときは同じような気持ちで転職してるんだろうか?

 

早く辞めると宣言して楽になりたかった。

現職を辞めたい理由があって転職活動をしていたのに、転職する旨を会社に報告したときに、辞めたい理由をまたまざまざと見せつけられるのが嫌だった。そういうところが嫌で辞めるんですよ、この気持ちをわかってくれないところがイヤで辞めるんですよ、あなた方には分からないでしょうけども、そういうところですよ、という気持ちになると想像していた。「どうして辞めるの?」「新入社員のOJTはどうするの?」と色々えらい人たちとの打ち合わせがたくさん発生するんだろうなと思うと胸が痛かった。

 

内定後、会社に退職報告をした後(退職交渉)

転職をするので現職を辞めたいと宣言した。いざ宣言してみると、私が心配していたような激詰めされたりつらい言葉をかけられることはあまり無かった。むしろ、あなたが選択したことならそれを尊重したいというスタンスで話を聞いてくれていてありがたい。

 

マネージャーには電話越しに泣かれてしまった。「私のために泣いてくれるんだ」という気持ちと、「なんで残業を勤怠につけさせてくれなかったあなたが泣くの?」のふたつの気持ちになってモヤモヤした。今更、過ちを認めて謝っても、泣いても、遅い。残業代は払ってくれないでしょう。

 

「あなたの退職理由は、退職せずとも改善できる余地がある」とも言われた。改善しようという意識があるのは素晴らしいことだけど払われなかった残業代も、ハラスメントによって受けた痛みも、泣きながら仕事をした過去も、何も変わらない。

 

「社内異動は考えなかったのか?」とも言われた。異動によって、私にハラスメントをしてきたひとたちに再会する可能性があるのが怖い。異動するくらいなら、いっそ会社を変えてしまってもいいのではないかという気持ちもあると答えた。

 

「この際だから 気になっていた点や改善してほしいところがあれば言ってほしい」とマネージャーに言われたときに 2つの気持ちがあって、「なんで私が親切で言ってやらなければいけないんだ」「親切に辞める理由を言ってやる必要なんかない」という気持ちと「これから後輩たちが私と同じようなことで悩まぬよう 言おう」という気持ち どっちも本当。後輩たちには、私と同じ思いをしてほしくない。なるべく健やかに労働をして育っていってほしい。

 

退職する旨を報告してスッキリした。気が楽になった。でも、ただ自分が言いたいこと言えてスッキリして気持ちよくなってるだけ、とも思った。なので、今は退職までの短い時間を淡々と引継ぎ作業に費やしていく。また、残されたひとたちの成長を願って私が今できることを粛々とやっていくしかない。

 

雑感

平日仕事が19時~21時に終わって、そのあと0時まで転職活動(職務経歴書の作成、企業研究、面接準備)をしていた。ぶっ倒れるかと思った。すごい大変だった。

その間、パートナーがいきなり無職になったりしたので、精神的にもしんどかった。

 

これまで就活やマッチングアプリをやっていたときは、自分の市場価値を理解した上で身の丈に合う相手・企業を探していたけれど、今回の転職活動は身の丈に合わない、たいそうなキャリアアップを目指していたのですごく不安だった。でも結果的に、キャリアアップをする形で、第一志望の企業から内定をいただけたのがとてもありがたかった。

内定をもらうことはゴールではなくて、やっとスタート地点に立てたか状態なので、めげずにやっていきたい。

 

よかったこと

  • コロナ禍のため、全ての面接がオンラインで実施されたこと
    →毎月残業40hあっても時間が作りやすかった
  • 転職活動前は暇を持て余していたので、趣味のひとつとして活動できた
  • 知らない人と話せて、しかもフィードバックをもらえるのが嬉しかった
  • 転職活動のやり方を把握できたこと

困ったこと

  • 自分のPCにOfficeが入ってないため、職務経歴書や履歴書作成が大変だった
    LibreOfficeを利用した
  • Web会議のツールが多すぎる
    (例)Zoom、Teams、Google Meets、Webex、Amazon Chime
  • 面接時間が平日9:00〜16:00指定の会社
    従業員を大切にしてるのは分かるけど、面接を受ける側だって平日日中帯は働いているのですが…

 

転職活動、「うちの会社はダイバーシティを推進してます!」「女性が働きやすい環境です!」って声高に表明するわりに蓋を開けてみると女性のエンジニアの数が多かったり育休取得率が高いだけだったりして、ダイバーシティって性差だけでなく世代間ギャップとか人のバックグラウンドの数だけあるものでしょって思いながら活動していた。

 

育休や産休を取得できることや在宅勤務ができることが女性の働きやすさなのか?よく分からなかった。そんなの当然の権利だと思ってしまった。当然の権利さえ無かった時代を思うと、男性も育休を取得できる世界線に生きてるのだから恵まれているとも言える、でも、まだそこからなのか?

性別関係なく人間が働きやすい環境にしてほしい。

 

転職先の会社は、ダイバーシティは性差だけではなく、ベテラン社員と新入社員の間にも、世代間のギャップで生じる課題解決も含まれるものだとえらい人が話しているような会社で、面接を受ける中でもそういった理念が根付いてる環境だと感じた。

 

また、面接のときに、5分前にも関わらず面接官の方が全員揃っていたことがすごく嬉しかった。これまで面接受けてきた中で面接官が先にスタンバイしてる状況はなかった。いつも私が待たされる側だったのに、転職先の会社は、面接のときに私のことを待ってくれていた。嬉しかった。私もこういう人間になろうと思った。

 

もともと第一志望の会社は別にあったけど、面接官にずーっと名前を間違えられていて悲しい思いをした。また、一次面接が15分で終わってしまい、最終的に内定をもらったけど、どこを評価されたのかよく分からなかったので辞退した。

 

私は、今の会社の昇進のレールに乗っていた。若いうちから、出世する人のもとで働けたことはすごくありがたかった。でもそれを捨てででも転職したかった。もったいないことをしていると思う。けど、でも、もうこの会社で昇進したいとは思わない。

 

最近は「転職しないで今の会社を続けた方がよかったかな」と不安になるときがある。これは、転職理由である残業代未払いやハラスメントの痛みを、時間が経つにつれ少しずつ忘れていってしまっているから。だから忘れないように書いた。

 

転職という選択が正解だったかなんて、選択したときは分からない。

だから、自分で選んだ選択肢を、自分で正解にしていくしかない。

 

 

はじめての転職活動 転職理由編

7月から転職活動をしていた。

9月に内定をもらい、数ヶ月後から新しい会社で働く予定。やったー。

 

ひとつの記事にまとめようと思ったけど、長文になってしまいそうなので分割して記事を投稿する予定。今回は転職理由について書く。

主に、働いた分のお金がもらえないこと、様々なハラスメントを受けてきたこと等が転職理由です。

 

 

転職理由

残業の過少申告

「6月の残業時間が45h超えるのですがその通り勤怠登録して大丈夫ですか?」とマネージャーに質問したときに「大丈夫、ではない」と返されて、大人しく残業時間を減らして勤怠登録したことがあった。

マネージャーに「それはおかしくないですか?」と言えるほど元気じゃなかった。残業続きで疲れていた。4月に入ってから8月まで、平均残業時間が40h程度。去年までは平均残業時間は20h程度だった。もう言っても無駄だろうと勝手に諦めていた。これまでも嫌なことはたくさんあったけど、この件をトリガーにもう現職で働くことが嫌になってしまった。

また、なぜマネージャーが残業の過少申告をするよう促してきたかというと、現職では部下の残業時間が45h超えた場合、マネージャーは上層部に対して残業時間45hを超過した理由、今後の改善策等を記載した文書(いわゆる反省文)を提出しなければいけないらしい。マネージャーは反省文の提出が面倒で上述の指示をしてきたのだと思われる。

 

上述の、残業時間の過少申告を促してきたマネージャーが、メンバーの士気をあげようとしたり意識高い系の発信してるのが気持ち悪くて「でもあなたは残業を過少申告するよう促してきたヤツだもんな」以外の感情が浮かばなくなってしまった。

マネージャーが「残業してほしくないから作業は来週で構わないと言ってるんです」と言ってきたときは、どの口がそんなこと言ってるの〜~???と笑顔になったこともあった。マネージャーの指示で私は働いた分だけのお金がもらえてないのにどの口がそんなことを言うの?

大好きだったマネージャーのことが、嫌いになってしまった。

 

転職理由を面接で聞かれたときは、「残業時間が45時間超えたときに超過分の勤怠をつけさせてもらえず残業代がもらえなかったから、これは組織の問題で、クリーンな職場で働きたいから転職活動をしている」と答えていた。

これはネガティブな話だからあんまり言わないほうがいいかと思って転職エージェントに相談したところ、「転職理由として現職の不満点ばかり伝えるのはネガティブな印象を持たれるのでおすすめしませんが、本音を隠して転職をしてもあなたは幸せにはなりません。本音を伝えて採用してくれるところのほうがあなたは安心できるし幸せになれるんですよ」と言ってくれて泣きそうになった。私は幸せになる。私は幸せになるぞ。

 

15分刻みの勤怠登録

私は会社のフロアに入り鞄を置いたりPCを起動する時点で業務は始まっている認識だったけど、えらいひとから「入室時刻=始業時刻で勤怠をつけているのはおかしい。鞄を置いたりPC起動の時間があるはず、始業時刻は15分刻みで登録しろ」と言われたことも転職理由のひとつだった。

言われたときはよく分からなかったので会社の人事規定を読み返したり、36協定に関する会社の問い合わせ窓口に「始業時刻の定義ってなんですか?PC起動するのも業務のうちに入りますか?PC起動して鞄置いてすぐに業務開始してるのですが、入室時刻=始業時刻で勤怠をつけるのはおかしいですか?」と面倒くさい人間だけど細かく問い合わせを行った。

結果、1分刻みで登録していいこと、また、フロア入室後すぐにPCを起動して鞄置いて業務開始しているのであれば、入室時刻=始業時刻で構わない、と回答があった。上司の指示は間違っていた。でも私は15分刻みで勤怠を登録し続けた。上司に共有すればよかった、でも、疲れていてそんなの言う気にはならなかった。言ったとして、一蹴されて終わりな気がしていた。

 

話は逸れるけど、私は13時から打ち合わせをセッティングするひとのことが嫌いです。なぜなら、昼休み中の12時55分くらいから準備をしなければならないからです。13時からの打ち合わせは仕方がないとして、私の大事な昼休みの5分はどこへ行くのだろう?

障害対応で昼休みが潰れることも仕方がないけど、その埋め合わせってどこでするのだろう?(自主的にどこかの時間でサボるのが大人のやり方なんだろうか)

決して昼休みや休日に仕事をしたくないというわけではないです。ただ、働いた分のお金がほしいだけ。

 

たくさん働くのは構わない、忙しいことも構わない、残業が45時間超えることも構わない。だけど働いた分だけのお金はちゃんとほしい、それだけのことなのに高望みなんだろうか

 

ハラスメント

様々なハラスメントを受けた。コンプライアンス部門にも何度かお世話になった。

以下、ハラスメントまとめ。読んで不快になる方がいるかもしれないので注意してください。

 

  • 他部署の先輩から「俺はいま20万現金で持っていて、お前とヤるのが1回10万として2回できる」と業務時間外にLINE通話で言われる。 ←業務時間外だったがコンプライアンス部門に通報した
  • 「お菓子をあげるから僕と仲良くなってよ」と40~50代の男性に言われる
  • 退勤しようと席を立つと、40~50代の男性に背後ぴったりに立たれる。
  • 上述の40~50代の男性のヤバさを、事業部のメンバーは把握しているのに何も対処がなされない。飲み会でネタにされるのみ。
  • 別グループのマネージャー(男性)とすれ違うたびに睨み付けられる。
    一年目のとき、別グループのマネージャー(男性)に業務説明をしてもらったことがあって、そのときたまたま生理で眠くてうとうとしてしまったことがあった。それ以来すれ違うたびに睨み付けられていた。4年間ほど。
  • 上述の別グループのマネージャー(男性)に「(新人を指さして)男でも探してこいよ!」と言われる
  • 「これはセクハラじゃないんだけど」と前置きをしてセクハラ発言をされる
  • 「どこの会社、どこの部署に行ってもそういうヤバいやつはどこにでもいるからね」と女性の先輩から言われる(絶望) ←女性の先輩がヤバい
  • 母親「私の時代は『飲み会の席だから これも仕事のうちだから』と言われた。今は(セクハラを告発できて)羨ましい時代だね」 ←母親がヤバい

 

Twitterのモーメントにもまとめていました。

 

twitter.com

 

どこの会社、どこの部署でもハラスメントをしてくるヤバ人間は普通にいるものでしょうか?普通にいるとしても、普通の顔して何も対処せず無視しているのはおかしくないですか?

コロナ禍以前、夜遅くまで残業していると、フロアに人がほとんどいなくなってしまうので、セクハラ人間が残業と称してフロアに残っていて隙あらば話しかけてきそうになるので、いつセクハラされても立証できるようiPhoneボイスレコーダーを使っていました。そういう習慣だけが増えていきました。

私が慣れてしまっていただけでもっとおかしいことはたくさんあったように思います。でも一緒に働くひとたちのことや仕事、お客様のことが好きだから、ハラスメントをされただけでは辞めようなんて思わなかった。耐えられていた。一緒に働くひとたちとずっと仕事をしたいから耐えていた。でも、"一緒に働くひとたち"、の中に含まれるマネージャーから残業過少申告の話があって、一気にダメになってしまった。

 

泣きながら仕事することが増えた

あるとき、マネージャーの指示の下、WBSを作成しているときに涙が止まらなくなった。スケジュール的にもスキル的にも厳しい。メンバーは残業が常態化していて、これ以上残業を増やしてどうするんだろう、ああ、こんなスケジュールじゃメンバーが壊れてしまう。私は今メンバーを潰すスケジュールを作成している。

メンバーが潰れたり壊れるようなスケジュールを立てたくないのに、そういうスケジュールを立てている自分に涙が出た。

こんなスケジュール無茶ですよって言っても 「技術に詳しい人アサインします」「新人もアサインして構わないです」「品質も最初は低くていいです」と言われた。マネージャーが言ってることは正しい。早くデリバリーするために品質を下げる、コストもかかる、そんなの分かってる。でもそんな正論で殴られても、気持ちとしてムリだった。しんどいなあとしか思わなかった。現場が疲弊している中で正論で殴るような優しさのない人間になりたくない。

今まではお客さんのために頑張れていたけど、このままでは私も、メンバーを壊すことに加担してしまう。そのことを何も思わなくなってしまう。この会社で働き続けていつか昇進したら、部下を正論で殴って同じような思いをさせてしまう。悲しい思いをさせてしまうかもしれない。もう、この会社で昇進したいとは思わない。辞めよう、と思った。

 

孤独感

プロジェクトは複数人のチームで運営しているはずなのに、マネージャー対私、上司対後輩という1対1の構図が多くて、私が後輩や先輩に「助けて」って言えばもちろん周りは助けてくれるけど、周りに「助けて」と言うほどでもないけどしんどい状況、というときに孤独を感じることが多かった。

私は体力的にも仕事の処理能力的にもおおよそのことは一人で何でもこなせてしまうタイプなので、周りに「助けて」と言うほどでもないことがほとんどだけど、それでも疲れるししんどかった。

 

『自分でやった方が早い病』という本を読んだ。自分以上に仕事ができるひとたちの環境にいれば、この病は治るし発症しない、といったことが書かれていたので、自分より仕事ができるひとたちがたくさんいる環境に転職して揉まれて成長していこうと前向きに思えた。

 

方向性はあなたが決めて残りの「誰でもできるような作業」をまわりの人にふってはいませんか?これは隠れた「自分でやった方が早い病」です。まわりの人に仕事を任せているようで、実は自分の成功のために利用しているだけなのです。

 

結局、「自分でやった方が早い病」の人は、損得勘定で仕事をしている人です。しかも、自分だけの得を考えたり、自分だけの気持ちいいことを考えている人です。

 

「自分でやった方が早い」と仕事を抱え込んで、部下が失敗する権利を奪ってはいけません』

 

 

この孤独感についてマネージャーに相談したけどあまり理解してもらえず悲しかった。

「なんで俺ばかりが仕事をやらされているんだ」「もっとワイワイ仕事をしたいんだよ!」とかそういうことではない。一人で仕事をするのは好きだけど、寂しくないわけじゃない、という気持ちのこと。周りに察して助けてもらいたいということではなくて、一緒に課題解決してる感、というのかなあ…ちょっと違うかもしれない、難しい…。

 

雑感

私には、どうしても許せないことがたくさんあって、もっとうまく受け流したりできたらいいのになと思うけど、それができない。いちいち怒っていちいち悲しんで、許せないことを忘れずに覚えている。それらが私のことをたまに苦しめることは十分に理解しながら、不器用な生き方しかできない私のことが好きなときもある。

私の生きづらさって、かわいい。

 

7月にZOZOTOWNで洋服を買った。6月にはボーナスをもらったものの、忙しくてお金を使う暇なんてなかった。ほしくて買った洋服なのに、いざ届いてみると、仕事で疲れているせいで何日も開封できずにいた。段ボールを開け、タグを切り、試着する暇があるなら一分でも長く眠っていたかった。

 

在宅をしているはずなのに、パートナーと過ごす時間が少なくて寂しかった。すぐそばにいるはずなのに、21時になっても、まともに会えないし話せない。

また、まともな食事は取れずとも、たくさんのお菓子をつまみながら仕事をしていて、どんどん体重が落ちた。労働はダイエットできるから便利。3kgくらい落ちた。やったー。

 

面接で、「もしあなたの転職活動の理由、残業代が適切に支払われるようになれば、あなたは転職をしないで現職を続けますか?」「転職活動をせず、社内異動でもよかったのではないですか?」って質問をされたことがあった。

散々殴られたあとに、殴ってきたひとがどんなに優しくなったとしても、私の身体には確実に傷は残ってる。質問をされたとき、軽視されてるって思ってしまった。私の傷を、軽視されてるって思った。

 

私は私の人生を可能な範囲で選んで生きていく。

生きづらさを感じることばかりだけど、幸せになりたい。

水に流したつもりが流せてなかった話

 

お気に入りの喫茶店に行きたかった話。

去年のゴールデンウィークに久しぶりに車の運転をした。大学生のときに免許を取って、それ以来の運転だった。行き先は私の住んでいた街で、助手席にはパートナーに座ってもらい適宜フォローをしてもらった。

もともと私のお気に入りの喫茶店に行こうという話をしていた。彼も同意してくれていたし、久しぶりに喫茶店に行けることを楽しみにしていた。しかし、当日街についたらラーメン屋に行き商店街をひやかすのみで、お気に入りの喫茶店には行けなかった。

店の前を通り過ぎたときに、「あ、ここお気に入りの喫茶店だ」ってパートナーに言ったけれど、私たちはそのまま通り過ぎた。パートナーは単に喫茶店に行くという約束を忘れていた。私もパートナーに「あの喫茶店に行きたい」と強く言えなかった。

茶店は、まだ私がその街で一人暮らしをしているときによく通っていたお店で、パートナーと一緒に来たことがある。そして、私は喫茶店がお気に入りであることを何回か話していたし、大事にしていることは知っていると思っていた。しかし、私たちは喫茶店には行かなかった。

この話をパートナーにしたところ、「(そんなに行きたい店だったのなら)じゃあそのとき言えばいいじゃん」「俺そんなに悪いことしたかなあ?」「お前が、俺の大事にしてる店を忘れることは絶対にないんだな?」と言われた。これが今日(9/19)の第一声。

「私だって忘れることはある、そういうときはごめんねって言う」

「おれだってそうだよ」

「違うじゃん」

 

「あなたの第一声は、ごめんね、じゃなくて、『じゃあそのとき言えばいいじゃん』だよ」

 

ごめんね、よりも先に自分のことが一番に出る。それが本音。そのときに言わなかったお前が悪い、おれはそんなに悪いことはしていない。それが本音。

 

何を今更、去年のゴールデンウィークの話を蒸し返してるのか、と自分でも思う。そのときに言えなかった自分が悪いだろうと分かっている。だから今日まで我慢していた、我慢している気持ちもなかった、水に流せたつもりでいた、けど流せていなかった、とようやく気づく。

茶店に行けなかったのが悲しい、というより、私が初めて一人暮らしをした街の、大事にしている喫茶店のことをパートナーが覚えてくれていなかったこと、行こうという約束を忘れていたことが悲しかった。それに、「じゃあそのとき言えばいいじゃん」と言われてしまうことにも涙が出る。

 

 

お気に入りのグラスを割られたときの話

去年の7月にグラスを買った。私はクリームソーダが大好きで、自宅でもクリームソーダを飲めたらなんて素敵だろうかという思いで買ったきれいなグラスだった。買う前は、Amazonやヨドバシ、その他グラスを取り扱う小さなECサイトや店頭を色々巡って買おうかどうしようか何度も何度も迷った。その末に買ったグラスだった。

 

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今年の7月にグラスをパートナーが不注意で割ってしまった。一年の命だった。パートナーは謝ってくれたし、何よりパートナーに怪我がなくて本当によかったと思った。直近に聞いていたラジオで「食器が割れないと食器屋さんが儲からないから」と食器を割ってしまった子どもを叱らないでいたおばあちゃんのエピソードを聞いたから、グラスが割れてもまた新しいものを買えばいいと思った。

 

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グラスを割ってしまったその日、私が仕事から帰るやいなやすぐさまパートナーはAmazonでグラスを探し始めた。「安いしこれがいいんじゃない?」と30分もしないで言ってきた。安さじゃない、と思ったけど言えなかった。安くてもいいものがあるはず、何よりパートナーが選んでくれたものだから、試しにそれを使ってみよう。そういう気持ちがあったから、お詫びとして、新しいものを買ってもらった、はずだった。あのときは納得していた。「これでいいんだ」と思って買ってもらった。決して「これがいい」とは思ってなかった。ベストではないけど、ベターだった。最初に自分で買ったあのグラスのほうが素敵だと思っていた。でも、同じグラスを買ったとしても、もうそれは別物で、割れてしまったグラスは戻らない。

 

「おれは安さで判断してないつもりだし、割ったその日に買わなくても一旦待ってほしいと言うなら待った」

 

と今日言われた。

私が最初のグラスを買うのにかかった時間は、少なくも二週間はかかったと思う。買おうと決めたあとも、本当に買ってしまっていいのだろうかと何度も悩んで「まだ買ってないの!?」とパートナーに言われたこともあった。パートナーは私がグラスを買うかどうか迷っていたことをちゃんと知っていたはず。

 

パートナーは、グラスを割った罪悪感から早く逃れたいというように、30分で決めた。しかもAmazonでしか探してない、他のどこのお店も見てない、Amazonでしか探していないところが無性に悲しかった。私のほしいものは必ずしもAmazonにあるわけじゃないのに。私が最初に買ったグラスはこれだよ、ってメーカーと品番も言ったのに。パートナーだって私がどれだけ悩んで買ったものだったか知っているはずなのに、それなのに。

自分が楽になりたいだけだったの?

 

あのときだって納得して買ってもらったつもりだった。自分の中でモヤモヤしたことではあったけど、もう水に流せたつもりだった。

でも痛みがぶり返して今日話してしまった。

 

「もう一回時間をかけて新しい納得のいくものを買おう。そんな思いをさせてるって知って、おれだっていやだから」

「安直なもので済まされた、って過去は変わらないの、新しいのを買って、楽になりたいだけでしょ」

「そうだよ、自己満足だよ」

「そういうのはいらないの、あのときちゃんと言えばよかったのに、言えなかったっていう気持ちを抱えて生きていくの」

 

 

新しいヘアクリップがほしい話

旅行先で温泉に入る際、ヘアクリップで髪をまとめることがある。今まで使っていたヘアクリップは、大学生のとき新横浜のホテルでアメニティとしてもらったヘアクリップで、特にお気に入りでもなんでもないが、ただ在るので使っていた。それがこのまえ壊れた。クリップのプラスチック部分が割れて、金属バネの部分が取れてしまった。

新しいものを買おうと、食事のついでにパートナーと駅ビルに行った。私は「駅ビルのアクセサリー屋さんや3COINSを見たい」と言ったと記憶しているが、パートナーは3COINSにしか行ってくれなかった。私は、安くなくても、欲しいものを買いたい。そりゃあ安く、すぐ決められたらいいと思うけど、そういうことができない。本当に欲しいのか悩んだ末に物を買う。なんというか、パートナーは、何か欲しい物があったときにとりあえず100均に行く習性がある。でも、今回の買い物は私が買うものだし、値段なんてどうでもいいと思っていた。

 

言えばいいじゃん、他のお店も見たいって言えばよかった。でも言えなかった。なぜか。過去のこと(喫茶店やグラスのこと)を突然思い出して悲しくなってしまったから。安いもので、適当なものでいいだろうとパートナーに思われているのかもしれないと考え始めたら、色々な気持ちに潰されそうになって言えなくなった。

帰り道、気まずくなって、「私は、安いものが欲しいんじゃなくて、欲しいものが欲しい」って言った。パートナーは「おれが3COINSに誘導したから嫌だった?それならそのとき言えばいいじゃん、今から行く?」「ケチくさくてごめんね」と言った。

ちょっと違った。

私の言いたいことは、ちょっと違った。

 

私はいつまでピルを飲み続ければいいの

 

「飲みたくないなら飲まなくていいよ」

とパートナーに言われた。

 

ピルのことだ。大学生のときから飲み続けているピル。

妊娠するのが怖くて飲み続けていた。

私が大学生のときから彼には避妊をしてもらえないから、自分で避妊するしかなかった。

もともと私は子どもを産み育てたいと思っていない。

子どもはほしくないと思っていながら、もし妊娠してしまったら、

選択肢としては産み育てるか、中絶をするかの二択となる。

(それ以外の選択肢もあるけど、基本的には共に過ごすか、捨てるかの二択だと思う)

産み育てる、まず第一に経済的に厳しい。そして、私が親からされてきたように、私も子どもを蔑ろに扱う可能性がある。それがすごく怖い。ずっと憎んでいた親に、私もなってしまうことがものすごく怖い。だから子どもはつくらないと決めている。夫婦として、子どもをつくらないと決めている。

次に中絶をするという選択肢。子どもはほしくない、つくらないと決めていても、もし妊娠をして中絶することになったら、それはそれで私は苦しんで、つらくて泣くのだと思う。命を捨てることの罪悪感、という言葉では足りないくらいの強い感情、考えるだけで涙が出てくるし怖い。

妊娠をしたくない。だから私はピルを飲む。

 

 

本当はずっと、彼に「ピル飲むのやめていい?」って聞きたかった。

パートナーの許可なく自分の意思でピルを飲むことをやめても全然よかったはず。

それなのに怖くてピルを飲むことをやめられない。

もし、飲むことをやめて、彼が避妊をしてくれなかったら。

もし、避妊をしてくれたとして、それでも妊娠をしてしまったら。

 

6月頃に喧嘩をして、そのときに勢いで話した。

私はあなたに避妊をしてもらえたらいいなあってずっと思っていたこと。

血栓症のリスクのこと。

私だけが避妊して、あなたは避妊をしないことは、それは私が大学生のときから変わらない。最初からバランスが取れていないことのひとつであること。

私のことが大事だと言うくせに、避妊をしてくれないこと。

その矛盾に気がおかしくなりそうなときがあること。

でも、私は私の身体が無碍に扱われることを良しとしていた。

ただの穴に成り下がることを良しとしていた。

「ゴムつけて」「中出ししないで」「私はいつまでピルを飲み続ければいいの?」と言ったら嫌われるような気がして、離れて行ってしまうような気がして、怖くて何も言えなかった。無碍に扱われてもいいから、一緒にいてほしい。離れないでほしい。

そういうことを勢いで話した。

 

それから、もうセックスを全然してない。

6月に勢いで話したとき、彼は避妊する、と言ってくれていた。

期待した自分がいた、正直に言ってよかったと思った。

でも、無い。いいのだ。もう、別に私もそれで。

次、いつかセックスをするときに、彼は避妊をしてくれないかもしれないな、と思っている。それでいい。どうでもいい。

 

彼は言っていた。

最近、大事だとか愛しいという感情は増すばかりなのに性欲はわかない。

これまで、自分にとってのセックスは、ある種暴力的で支配的なものだった気がする

。女性を蹂躙することが快感だった、けど、今は違う。

 

そういうことを考えてくれるひとと結婚してよかったなあとそのとき思った。

 

 

 

昨夜、いろいろ話すうちにまたセックスとかピルの話になった。

いつまでピル飲まなきゃいけないんだろう、と彼に聞いた。聞けた。

彼は、生理痛とか生理周期のために飲んでいるのだと思っていたと言う。

違う。全然違う。

関係性を繋ぎとめるためだけに飲んでいた。便利な穴として。

 

ゴムは持っていて、でも、性欲がわかない。

そんなふうに思ってるって知らなかった。

飲みたくないなら飲まなくていいよ。

 

でも妊娠するのが怖い。

 

ゴムはつけるし中で射精しないようにする。

 

ずっと聞きたかったことを聞けてよかった。

私はいつまでピルを飲み続ければいいのかずっと分からなった。

閉経するまで飲み続けなければいけないのか?飲みたいわけでも飲みたくないわけでもないものを毎日夜眠る前に水で流し込む行為をこれからもずっと続けるのか?

ひとりで悩んでいたことを聞けてよかった。なんの解決にもなってないけど、私に答えをくれたので、それだけで一歩前進という気がした。

 

もうすぐ結婚して一年が経つ

 結婚して一年。

パートナーが仕事に行くときはベランダから手を振って見送るし、私が仕事に行くときはパートナーが駅までついてきてくれるときもある。夜眠る前にはパートナーと一緒に本を読む時間があり、歯を磨く時間がある。おやすみと言い合って最初は手を繋いでいたのに自然と寝返りを打って背中合わせで眠る。彼は私が眠っている間に、夜中に仕事へ出かける。喧嘩をしたときは自室へ逃げ込んで、一緒に寝ないこともある。互いの部屋のドアを閉め切って、言葉を交わさない日が何日も続く。なるべく喧嘩はしたくない、そう思いながらも何回も喧嘩をした。それでも生活は続いていく。喧嘩をしていてもなお、夫婦としても生活が存在している。

 

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最近、転職活動を始めた。

大学を卒業し、今の職場に新卒で入社して5年目、インフラエンジニアとして働いている。4月に入ってから残業時間がぐんと増えた。これまでは平均20時間程度の残業が、40時間程度に増えた。職場の主任がマネージャーに昇格したことを機に、これまで主任が担当していた仕事の多くが私に振ってきている、し、新入社員のOJTにも時間を奪われる。

仕事で忙しくするのは好きだ。どんなに忙しくても、この忙しさは昇格のためのステップアップなのだと言い聞かせてきた。会社のルールとして、若いうちから出世する人間のもとで働いたほうが、自分も出世しやすいだろう。だから私も将来有望な人間の下で働けている今の環境はとても恵まれている。私は、いきなり仕事を休む先輩なんかよりも先に昇格するのだ。私は女だけど、父親よりも稼ぐ人間になる。「誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ」と怒鳴る父親よりも、もっと、大事な人を大事にできる、優しくて稼ぐ人間になりたい。

別に出世したいわけじゃない、ただお金が欲しいだけ。お金がたくさんあると安心するから。仕事は好きでも嫌いでもない。職場のひとはみんな優しくて大好きだけど、それだけじゃやっていけない。

 

あるとき残業を45時間越えたときに残業時間を過少申告するようマネージャーから言われた。今までおかしいなと思うことがあっても、強く主張したりしなかった、無視するほうが楽だったからそうしてきた。セクハラされたときはコンプライアンス部門に通報して適切な対応を取ってもらったけど、それくらい。どうしても許せないことがあると泣きながらインターネットに文章を書いて、それでやり過ごしてきた。でも、働いた分のお金がもらえないということがどうしても許せなかった。

 

また、あるプロジェクトのWBSを作るよう指示があり、メンバーの業務負荷や知識レベルを考えるに、当初の予定の2か月では到底終わらないと思ったので、マネージャーにそう主張した。でも、どうしても2か月で終わらせるよう言われた。「時間が足りないなら人をアサインしろ、知識が足りないなら勉強をしろ」、それは正しいことだと思う。けど、私以外の人間も残業時間が40時間を超えている状況で、そんな正しさで殴られても、何も響かない。あ、そうなんだ、と思った。私は号泣しながら到底無理なスケジュールのWBSを作った。

このままでは私はいつか人間を壊してしまう。人間を壊すことに加担してしまう。

お客様のために、会社の利益のために犠牲にならなければいけないのは、そこで働く生身の人間で、そこまでして私はこの会社で働き続けたいのかよく分からなかった。

 

感覚としては、実家に住んでいたときの感覚に近い。

逃げようと思えばいくらでも逃げられるのに足が動かない。

「早く実家から脱出できるといいですね」と言ってくれるひともいて、「そうですね、私も早く実家から出て生活したいです」と返事をしているのに、行動に移せない。

なぜか動けなかった。必要性を感じなかったというか、我慢に慣れすぎていたというか。

 

あるとき転職していった元同期から連絡が来て、転職活動の話を聞いた。彼はすごく能力の高いひとで、新入社員のときからずっと仲良くしたいと思っていた人間のひとり。彼も結婚をしていて、私としても恋愛感情があるわけでもないのに連絡が来ると心臓がドキーーーッとする。彼の話を聞くうちに、転職できるかどうかは分からないけれど、転職活動をやってみようという気持ちになった。働く場所は他にいくらでもあるはず。

勢いで転職サイトに登録をしたらあとは流れるように物事が進んでいった。

働きながら、毎日0時まで転職活動をしている。

 

 

パートナーの話。

8/1(日)に喧嘩をした。それから喋らない日々が続いた。8/5(木)、私が在宅で仕事をしていたら「昼休みに話したいことがあるからちょっといいかな」とパートナーが声をかけてきた。来た。いつもの仲直りのタイミング。私たちは、喧嘩のあとはいつも話し合いをして仲直りをする。今回は私が譲れないことだったので彼から謝ってくれるのを待っていた。

そしたら、「仕事を辞めようと思っているんだけどどうかな?」と突然。喧嘩の仲直りの話じゃない。仕事を辞めるらしい。あくまで私に相談するという体裁だけれど、声音からも彼の中で意思が固まっているのが分かる。私に引き留める権利はない。ここ最近ずっとしんどそうにしていたし、彼も転職をしたいと言っていた。でも、いきなりすぎやしないか。転職先も決まってないのに、これからどうやって生きていくつもりなんだ。

話を聞いた日はずっと訳もなく涙が出た。

今までお仕事おつかれさまとかよく頑張ったねとかこれから何でもできるねとかたくさん休めるねとか言いたいことはたくさんあるのに全然口から出てこなかった。一番最初に言ったのは、「今の貯金がいくらで、生活にかかるお金がいくらで、養育費がいくらで、何か月で再就職をするつもりなのか決めてほしい」という現実的なものだった。そんなことを一番に言いたかったわけじゃないのに、そうやって計画性のなさを詰めてしまう自分に嫌気がさす。人間には、そんな計画性よりも前に、気持ちとして行動してしまいたいときがある、行動せざるを得ないときがある、そんなことは頭で理解しているのに全然彼の気持ちをポジティブに捉えたり労わったりすることができなかった。彼からは 「現実的なことを言ってもらえてよかったと思ってる」 と言われたけど、それでも。

 

他人の決断が自分の人生に直に影響を及ぼしてくる。

きなり自分ごととして人生が迫ってくる。

結婚、おもしれ~~~と思った。

 

私は、彼が厩務員として働く姿がとても好きだった、と今更気づく。

今まで世話をしてきた馬とお別れになるのさみしいねとか、テレビに出ているあなたを見られなくなるのは悲しいよとか、私もパドックに生で見に行きたかったよとか、レースをちゃんと録画しておけばよかったとか、そういうことばかりを思った。

ときどきデートで動物園や牧場に行くとき、明らかに動物への接し方がほかの来場客とは違って、手つきが手馴れている。ヤギの目やにを取ってやるしぐささえ愛しかった。「おにいさん撫でるのうまいねえ」と、言われたこともあった。嬉しかった。

人間と関わることが苦手で、生きづらさを抱えながら、それでも動物を大事にする彼の指が、しぐさが、すごく好き。仕事を辞める。単にサラリーマンを辞めるといったこととは全然意味合いが違う、特別な仕事から降りる、という感じが寂しくて泣いたんだと思う。私が大学生のときに出会ったときから、彼は厩務員だったから。

 

 

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 彼が仕事を辞めることが決まった。今月。もうすぐだ。

職場に退職する旨伝えて帰ってきたとき「気が楽になった」と一番に言った。

歳を重ねるにつれ難しいと思っていた競走馬を相手にすることのリスク。休みがないことすら楽しんでいるワーカホリックのひとがたくさんいる環境で、今日辞めるって言って久しぶりに 夕方の空がちょっと赤くてきれいだなって思ったと。なんかそれなら応援するよ、一緒にがんばろうって思った。

彼は、結婚記念日に、私の誕生日に、仕事を辞める。

 

「おれに騙されて結婚しちゃったのかな」

 

彼は言う。大学生のときの思い出補正で騙されて結婚してしまったのではないかと。

なんで結婚してくれたのか分からない、結婚一年でこんなことになってしまって申し訳ない、としきりに言う。大学生のときに一度連絡が取れなくなって、3年ぶりに再会して、半年間の同棲生活を経て、20歳も年上のひととの結婚。今でもよく分からない縁だなあと思う。

 

3年ぶりに再会したとき、彼は憔悴しているように見えた。

今まで楽なほうを選んで人生を生きてきたけど、年を重ねるにつれ人生が詰んできた。子どものころから周りのひとと全く馴染めない。普通のひとだったら慣れてきたらコミュニケーションの取り方を理解したり仲良くしていくであろうことを、おれは全然できない。そういうことを考えてもうこのままではだめなのかなって思ったときに、頼る相手がほしかったし寂しかった、だから連絡をした、と彼は言った。

他に連絡をする相手はいくらでもいたはずなのに、私を選んでくれたことが何より嬉しかった。私も元恋人と別れたばかりで寂しかったし、再開したその日に結婚の話になった。

  

 

彼と結婚をした理由。 

理由①

大学生のときに、「言葉にしないと相手には伝わらないんだよ、伝わらなくても言葉にすることそれ自体に意味がある」ということをしきりに言われたこと。私は思ったことをすぐに言葉にするのが下手ですぐに会話をあきらめてしまうから、どんなに遅くても、言葉にすることが何か意味があるのだと主張する彼の気持ちがなんとなく温かく感じた。

喧嘩をしたときも、問題が解決するかどうかはさておき、すぐに話し合えるかどうかはさておき、話し合いをして仲直りできるところがよかった。それまで付き合ってきたひと、友人たちとは喧嘩をしたら関係性がそのまま終わった。関係性が終わってしまうことを恐れていたし、関係性を繋ぎとめるために、モヤモヤすることがあっても言わないようにしてきた。それしか関係性を続ける方法を知らなった。だから、自分の気持ちを言って喧嘩になっても仲直りできることそのものが新鮮だったし貴重だった。これから一緒に生活していく中で、喧嘩をすることは多くあるだろうと思うけど、でも、人間には言葉があり、私たちは話し合えるのだと忘れずにいれば、大丈夫だろうと思った。だから結婚した。

 

 理由②

人生の視野を広げてくれたこと。

大学生のときから映画の話をしてくれたり映画館に連れて行ってくれたこと、車の中で流れてる音楽、食べ物のこと。それまでは食事なんてただ生きるための栄養摂取だと思っていたから、人と食べるご飯がこんなにも美味しいことを全く知らなった。鱧の天ぷらとか、なめろうとか、美味しいものそのものを教えてくれたことも幸福の一つだし、美味しいものを人と食べることで豊かになれることを教えてもらったから、結婚した。

アウトバックステーキ、品川 品達、デイリーヤマザキのパン。

彼と食べるご飯はなんでも美味しい。

 

理由③

「今付き合っているひといないの」「まだ結婚しないの」と他人から言われることに飽きていた。結婚して早く人生を上がりたかった。私は子どもを持つ気はないけれど、いい加減恋愛ゲームに飽きた。性的搾取に飽きた。何度、マッチングアプリで「なんて呼べばいいですか?」「趣味は何ですか?」「今度一緒にご飯行きましょう」から始まる恋愛をしなければいけないんだ、虚無すぎる。

友達に相談すると要素だけで反対された。当然のことだ。20歳も年上で、離婚歴があり養育費を払っているひと。「おれだって反対すると思うよ」って本人も言っていた。要素だけ、要素だけしか見られない。

でも、選択した道を正解にするしかないと思って私は結婚を選んだ。選択したときは正解かどうかなんて分からないのだから、選択した道を自分で正解にしていくしかない。私の好きな言葉。また、別に結婚しても離婚という選択肢があるということは忘れないでいたい。選択するかどうかはさておき、私にもパートナーにもその選択肢はある。

 

そういう結婚した理由をちゃんと言葉にした。

これからも、何度も言いたい。彼が道に迷いそうになるとき、不安になるときは同じことでも繰り返し言うことに意味があるのだろうと思う。届かずとも、理解されずとも言葉にすること。

 

 

 大学生のとき、ホテルの休憩時間が終わるときに有線からZARDの『マイフレンド』が流れて泣いてしまったことがある。好きな曲というわけでもない、そのとき彼のことがすごく好きだったわけでもない。彼には付き合っている恋人がいたし、ただの身体の関係なのに、他に何を許すものがある、何を明け渡すものがある、それなのに、訳も聞かず抱きしめてくれたこと、ホテルの時間を延長してくれたことを思い出す。

 

「どんなに不安がいっぱいでも 真っすぐ自分の道を信じて」

「あなたがそばにいると 何故か素直になれた」

「ひとりでいる時の淋しさより 二人でいる時の孤独の方が哀しい」

 


www.youtube.com

 

昨日この話をしたら、「学生に限らず、家に帰りたくない状況ってつらいよね」と言ってくれた。ZARDの『マイフレンド』を聞いて号泣したことは覚えてないみたいだったけど、それでも私にとってあの時間は救いだった。自分の人生を引き上げてくれたひと。

結婚して一年、今は、家に帰りたくないことなんてまるでない。あのとき実家を出て一人暮らしをしたから、彼との生活を選んだから、その選択の地続きのところい今がある。死にたくなるときも全然あるけど、なんとなく生きてきた。もうすぐ誕生日が来る。人生の長さに途方に暮れるけど、彼となら貧しくても生きていきたいと思う。

  

Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)に合格した話

今日(2021年4月)、Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)に合格したので、勉強方法などを書いておきます。

先日AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA-C02)に合格した話を投稿しましたが、AWSの知識があればAZ-900を勉強する際にAWSとAzureのサービスの対比をよく理解することが有効だと思います。クラウドの業務経験があればそこまで難しい試験ではないですし、後述の通りMicrosoftの無料のウェビナーを受講することでバウチャーをゲットできるので、ちょっとした力試しに良い試験だと思います。

 

aknynk.hatenablog.com

 

 

 https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/paths/az-900-describe-cloud-concepts/

Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)とは

Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)は、FundamentalsというだけあってAzureの一番基礎的な試験です。AWSでいうクラウドラクティショナーのような立ち位置の試験です。

 

以下のサイトに試験のロードマップがあります。AZ-900に合格した次は、Azure Administrator Associate(AZ-104)、Microsoft Certified: Azure Developer Associate(AZ-204)、Azure Security Engineer Associate(AZ-500)へと進むのが順当なようです。

 

Become Microsoft Certified

https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE2PjDI

 

この試験は、クラウドベースのソリューションやサービスを使い始めたばかりの方や、Azure の初心者の方を対象としています。

Azure Fundamentals 試験は、クラウドの概念、 Azure サービス、 Azure ワークロード、 Azure のセキュリティとプライバシー、 Azure の価格とサポートに関する知識を証明する機会です。受験者は、ネットワーキング、ストレージ、コンピューティング、アプリケーション サポート、アプリケーション開発の概念を含む一般的なテクノロジの概念に精通している必要があります。
*1

 

問題数:出題数は40問前後? (私が受験したときは43問でした)

試験の形式:選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式

実施形式:テストセンターまたはオンライン
試験時間:60 分間

受験料金:13,750 円(税込) / 12,500 円(税別)

合格ライン:70% (700/1000点)

言語:英語、日本語、簡体中国語、韓国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語

  

docs.microsoft.com

 

試験前の知識レベルについて

※一部SAA-C02の合格記事にも記載している内容です。

 

法学部を卒業し、ITスキル0のまま2017年に今の会社にエンジニアとして入社、現在までクラウド環境の運用・運用設計の業務を担当しています。

社会人一年で基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)に合格、ベンダー試験としてはMicrosoftWindows Server 2012 のインストールおよび構成(70-410)を取得しています。

 

現在はWindows Server 2016やWindows 10、Red Hat Enterprise Linux Server(RHEL)の運用を担当しています。WSUSやLanscope Catを利用したQU・FUのパッチマネジメント、vSphere上での仮想サーバの自動構築、Powershellシェルスクリプトを利用した自動化・効率化が得意領域です。

 

Azureは技術問い合わせ対応(お客様からの問い合わせをMicrosoftのサポートに投げるだけ)の経験が3年程度あるだけで、VM、Functionくらいしか触ったことがありません。

 

元同僚に「Microsoftの無料のウェビナーを受講することでバウチャーをゲットできるよ~」とおすすめされたことがきっかけで、ウェビナーを受講、試験合格を目指すことを決めました。

  

使用した教材・研修

研修

  • Microsoft Azure Virtual Training Day: Azure Fundamentals
    2020年12月に受講した無料のウェビナーです。期間は2日間(09:30~12:30の3時間×2日間)で、頻繁に開催されていますので、まずはこれを受けてから試験を受けるかどうか考えるのも手かと思います。実際にハンズオンができるわけではなく完全に座学ですが、疑問点が出てきたら都度チャットで質問ができてその場でMS担当者が返信してくれるのがよかったです。

    無料のトレーニング イベント Virtual Training Days| Microsoft Events and Seminars

テキスト

  • 合格対策Microsoft認定AZ-900:Microsoft Azure Fundamentalsテキスト&問題集

    先ほどAmazonで調べてみたところ5月にインプレス社から黒本が発売されるようですが、私が勉強を開始した2020年12月頃は、AZ-900に関する日本語の試験対策本はこの本しかありませんでした。2020年3月に出版されたテキストのため、2020年11月の試験の更新内容は反映されていませんが特に問題ありません。このテキストは教科書的に使って、とにかく演習を解きまくりました。

 

 

インターネット教材

  • Microsoft Learn Azureの基礎
    公式の教材が第一部から第六部まで用意されています。この内容をEvernoteに書きながら勉強を行いました。ときどきサンドボックス環境でのハンズオンも用意されているので実際に手を動かしながら勉強することができました。外国語を翻訳した内容だからか、いまいち文章が頭に入ってきづらい部分があるのですが、根気強くやりました。

    Exam AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals - Learn | Microsoft Docs

    Azure の基礎 第 1 部:Azure の主要概念に関する説明 (AZ-900) - Learn | Microsoft Docs

     

  • Udemy Microsoft Azure - Beginner's Guide + AZ-900 - UPDATED 2021
    英語の教材です。13時間分のオンデマンドビデオがありますが内容は英語、日本語字幕もないので見ていません。約240問(120問×2回分)の演習テスト目当てで購入しました。ブラウザの翻訳機能を利用して問題を解きました。合格体験記を見るとこの教材を購入している方が多くいましたし、評価もよかったので買いました。定価が18,000円 (税込)と超高級品と思われますがUdemyは頻繁にセールを行っていて、90%OFFもザラなので1840 円くらいのときに購入するのがおすすめです。

    Microsoft Azure Administrator Guide Preparation Tutorial | Udemy

     

  • Udemy AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals模擬試験問題集(6回分276問)
    276問(45問~50問×6回分)の演習テストのみの日本語の教材です。上述の英語教材は1回分の演習テストが120問とボリュームが大きめですが、こちらは45問程度とスキマ時間にさくっと解くことができます。Udemyは最後まで解き終わって初めて正解・不正解が分かる仕組みなので120問解くとなると平日1日では厳しいときもあり、すぐ解いてすぐ正解・不正解を知りたい、解説を読みたいというときはこの教材は有用でした。解説の内容がものすごく分かりやすいというわけでもないのですが、シンプルな表現でよかったです。定価は3,600 円(税込)

    AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals模擬試験問題集(6回分276問) | Udemy

 

勉強方法・感想

12月にウェビナーを受けて、12月~3月はだらだらとMicrosoft Learnをやっていました。4月はUdemyの演習問題中心に勉強をしました。というのも、ふとバウチャーの有効期限を見たら6月末と記載があったので結構有効期限が短い!!!と焦って4月から本気を出し始めました。4月は新年度で会社の体制変更があったこともあり、残業は40h程度で精神的にも限界MAXの状態でしたが、業務の息抜きとして勉強をしていました。


 

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各演習テストの合格点です。括弧内は解いた日付です。最初はどうしても点数が低いですが、間違えたところはEvernoteに記録して自分の弱点を理解するようにしました。

特に、Security CenterとTrust Center、コンプライアンスマネージャーを混同することが多く、どれもセキュリティとコンプライアンス関係のサービスじゃん!といつまで経っても苦手分野でした。あと、初歩中の初歩ですが、リージョンと可用性ゾーンの区別も苦手でした。結局データセンターの集まりなわけですが、可用性ゾーンは1つ以上のデータセンターで構成されているのは分かっていても、じゃあリージョンにはいくつ可用性ゾーンがあるの!?1つ以上なのか!!というのを何度も間違えました。AWSだとマルチAZ構成という前提で勉強していたので、AZが1つの場合もあるんだな~というのを雑に学びました。

 

また、AWSとAzureのサービス対比を常にイメージしながら勉強をしていました。

Azureの Virtual MachinesはAWSのEC2、Cosmos DBはDynamo DB、FunctionsはLambda・・・というように、だいたい似たようなサービスがAzureとAWSには用意されています。Azureでのハンズオン経験が少ない中で、AWSの多くのハンズオンを思い出しながら「触ったことのないサービスだけど、だいたいこのような機能があるのだろう」と紐づけすることで覚えていきました。

 

Azureのほうがサービス名を見るだけで機能の内容が分かるシンプルなサービス名な一方で、AWSAWSならではのサービス名がついています。私にとってはAzureのシンプルなサービス名が逆にイメージしづらく、結構しんどかったです。

たとえば、AWSにはElastic Beanstalk というWebアプリを迅速にデプロイし、管理するサービスがあります。Azureで同等のサービスとなると、Azure App Serviceが該当します。Azure App Service。アプリのサービスなんだな、ということは分かるのですが、じゃあアプリの何のサービスなの?となるわけです。AWSのBeanstalkというのは『ジャックと豆の木(Jack and the Beanstalk)』が由来であると研修かどこかで伺いました。物語の内容を詳しく知らなくとも、主人公がぐんぐん伸びる豆の木に登る話だよな、とイメージがつきます。サービスのアイコンも緑色で木っぽいデザインになっています。Beanstalkの場合は、『ジャックと豆の木(Jack and the Beanstalk)』の木がぐんぐん伸びるところから、迅速にデプロイするサービスなのだなと連想できるのですが、Azure App Serviceという名前から「アプリのサービス」以上に連想できるものがなく、個人的にはしんどかったなーと思っています。良い悪いという話ではなくて、私は多くのサービス名から物語性を連想してサービス内容を理解していくほうが得意でした。

 

docs.microsoft.com

qiita.com

 

 

結果・さいごに

1000点満点中745点、つまり75%の正解率で合格しました。合格ラインは70%なので、ギリギリでした。あぶね~~~~~~!SAA-C02のときと同様、演習問題でいくら80~90%の合格率に達していても、本番では早々うまくいきませんね。予想通り、ID、ガバナンス、プライバシー、およびコンプライアンス機能の分野の得点率が低かったです。Azureの試験も過去問が公開されているわけではないので対策の立て方が難しい部分もありましたが、Microsoft Learnという教材があったのはよかったです。

試験に合格すると達成感がありますし、単純にうれしいので小まめに何らかの試験を受けて達成感とうれしさをゲットしていきたいです。次はAzure Administrator Associate(AZ-104)だろうか。久しぶりにIPAの試験も受けたい気持ちもある。

坂元裕二 朗読劇2021 『忘れえぬ 忘れえぬ』を観劇した

私は嬉しかったり楽しかったり好きだなあと思ったり幸せだったりするときに、声がまるくなる。口角があがってるからか、口の形がまるくなって、喉からやわらかくてまるい感情が出てくる。うまく言葉で表現できないのだけれど、そういうまるい声は、甘ったるいような上擦ってるような猫撫で声のようななんというか自分で聞き返してみると気持ちの悪い発声の仕方をしているなと思う。そういうときがたまにある。

 

 

坂元裕二さんの朗読劇2021 『忘れえぬ 忘れえぬ』、4/21(水) 13:00の風間俊介さんと松岡茉優さんの回を観劇した。

 

なんと2列目の席を引き当てたので、震える思いでお二人の姿と声を心に焼き付けてきた。

3m先に風間俊介さんと松岡茉優さんがいる喜びたるや、何もかもかなぐり捨てて舞台によじ登り警備をかい潜ることができたのならば、私はあの生身の人間に触れられたのだということを何度も妄想しては震えた。思いとどまった。何度芸能人を見ても、「ああ、このひとって実在するんだな」と思う。ちゃんと人間として器があって、人間として稼働しているのだなと思うと不思議な気持ちになる。ありがたいような恐ろしいような。

 

今回の朗読劇は、坂元裕二さんの『往復書簡 初恋と不倫』に収録されている、『不帰の初恋、海老名SA』『カラシニコフ不倫海峡』に加えて書き下ろしの『忘れえぬ 忘れえぬ』が上演されている。

私は『往復書簡 初恋と不倫』は読了済で、書き下ろしの『忘れえぬ 忘れえぬ』だけ内容を何も知らなかったので一番に観たいと思っていた。

 

 

以下ネタバレが含まれるのでご注意を。

 

松岡茉優さん、黒混じりの緑の髪の毛でビッッックリした。いま、『生きるとか死ぬとか父親とか』の撮影中なのではないですか!?あのジェーン・スーさん原作のドラマ、スーさんから吉田羊さんという女優の解を導き出した上に、その吉田羊さん演じるトキ子の若き日を松岡茉優が演じていてあれもあれですごい、その答えの出し方エグすぎて大好き、キャスティングしたひと天才、という感じなのだけれど話を戻すと松岡茉優の髪の毛が緑だった。すごい、あと着ていたワンピースがかわいすぎ、ファッションに疎いのでうまく表現できないのですが、胸元から襟周りが白くて、それ以外は黒のすとんとしたワンピースを着ていた。それにブーツを履いていた。松岡茉優さんの骨格、好き。

 

風間俊介さんは髪が伸びててかわいかった。風間俊介さんは、私の座る席の真正面に存在していたので、前の席に座るお客さんの頭で正直洋服を細かくチェックすることはできなかったのだけれど、それにしても髪が伸びている。頭のてっぺんがよく見える。松岡茉優さんが背筋をぴんと伸ばして朗読する一方で、彼は足を開き前傾姿勢で朗読していた。衣装はチェックのシャツにジャケット、パンツという格好だったかな、スマートカジュアルな感じでした。

 

風間俊介さんといえばディズニー好きとして有名ですが、最近オープンしたディズニーのフォレストシアターという観劇型アトラクションが不具合によるシステム調整に次ぐシステム調整でついに一週間くらいアトラクション休止しますみたいな通知が公式から出ててすでにパークチケットや飛行機やホテル予約しちゃったひとがかわいそうとやや呆れ気味、かわいそうな感じになっています。風間俊介さんはコロナ禍で年パスも払い戻しになるような状況でどのようなディズニーライフを送っているんでしょうか。Dオタ以外にはどうでもいい話。

 

話を戻して

 

朗読劇、ただ読み聞かせをされているわけでは全然なくて、声の震えや本をめくる音、しゃくる音、鼻をすする音、細かく拾って耳に届いてすごかった。まばたき、流れた涙を拭っているところ、右手で髪をかき上げるところ、椅子に座り直すところ、前傾姿勢から後傾姿勢になるところ、目から入る情報量もすごくて、普段であれば画面越しにカメラで切り取られた俳優としての姿を見ているだけなのに、自分の肉眼で、好きなように生身の人間ふたりを一方的に見尽くしていいという最高に贅沢な時間だった。ありがたき幸せ。

 

風間俊介さんが左手で鼻を掻くこと、松岡茉優さんが右手で髪をかき上げること、風間俊介さんが右足をひっかけて椅子に座ること、朗読が終わり袖にはけるときに松岡茉優さんを先に通してから、客席をぐわんと見回してから退場する風間俊介さんのこと、そのとき彼の目に滲む感情が複雑なものであろうこと、単純な嬉しさや悲しさをたたえている目ではなくて、他人には分からないようなそういう目をしていたこと。

 

風間くんは最里(もり)くん、松岡茉優さんは木生(きお)ちゃんという11歳の子どもを演じている。11歳から物語がスタートして、少しずつ時が進んでゆく。

 

好きだった台詞うろおぼえ(ニュアンスで記憶)

「恋とは自分たち以外の存在を遠ざけて触れてくれるなと憤ること」

「最里くんの言葉は最里くんに似ています」

「今日もきみのことが好きでした 腹が立つ」

「私たち問題児が一緒に帰るようになって、先生たちは戦々恐々としていたけれど、先生たちの予想に反して私たちはおとなしくなった。おとなしくなったんじゃなくて、彼らにさよならをしただけ」

「太陽が溺れる夕方」

「お父さんとお母さんになんで僕を捨てたのと怒りたい、噛みつきたい、殴りたい、叩きたい」

「窓を閉めて甘夏を食べて」

「届かないから祈り」

 

特に、上からひとつめとふたつめの台詞が印象的で、確かに恋とはふたりの世界とそれ以外を線引きして敵に回すことだなあとか、坂元裕二さんもご自分の言葉はご自分に似ていると思っているのかな、私の言葉も私に似ていると思うんだよね、という気持ちになった。

 

意識不明で植物状態にある「ゆっくりさん」の額にコンビニのコーヒーのカップを置いて笑った医者と看護師の描写、「このひとの命の価値は0円なんだよ」という医者の台詞、憤りのあまり怒りの怪獣になってしまった最里のこと。

 

あの、『問題のあるレストラン』における、男性ばかりの会議室で女性を裸にさせて土下座を強いるシーン、物語の中にものすごくショッキングな描写を挿入することで観ている側の怒りを引き出して、登場人物の怒りに寄り添えるよう促すというのが今回の作品でも使われていた。あれは怒って当然だ、怒ってしまう自分に苛まれたとしても、怒りは正当なものである、怒りのあまり罪を犯したとしても、それでもおまえの怒りは大事におまえが抱えておくべきなのだと言われている気持ちになる、

 

「ゆっくりさん」が意識を取り戻したとき、最里は「ゆっくりさん」のそばにはいられなかった。なぜなら怒ってしまったから。それで木生が「ゆっくりさん」のそばにいて最里に近況報告をするわけですが、それが最里を慰めようとしている、美しい物語に感じてしまって、「ゆっくりさん」が目を覚ますなんて信じられない、信じたくない、信じてしまったら自分を今かろうじて支えている何かがもろく崩れ去る予感があるから、届かないから祈りなのだ、届いてしまってはそれは祈りではなくなる、そういう葛藤が伝わってきてウウウーッとなりました。

 

 

最後に松岡茉優さんの話。

 

松岡茉優さん、「どうしてもどうしても自分が演じたかった、自分が救ってあげたかった役なのに、オーディションに落ちてものすごく悔しい思いをした、それがずっと心に残っている」というようなことを先日のA-Studioで話していたのを思い出した。

 

松岡茉優さんも嬉しかったり楽しかったり好きだなあと思ったり幸せだったりするとき、まるい声をしていた。『問題のあるレストラン』『おカネの切れ目が恋のはじまり』『コウノドリ』『ちはやふる』『勝手にふるえてろ』、色々観たけど、彼女の演技というか、首の動きというか喉の震えというか、口の中の空気のかたちが、幸せなときは幸せだと表していた。幸せがあふれて、こぼれてしまうのがよく分かって、泣けた。