Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)に合格した話

今日(2021年4月)、Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)に合格したので、勉強方法などを書いておきます。

先日AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA-C02)に合格した話を投稿しましたが、AWSの知識があればAZ-900を勉強する際にAWSとAzureのサービスの対比をよく理解することが有効だと思います。クラウドの業務経験があればそこまで難しい試験ではないですし、後述の通りMicrosoftの無料のウェビナーを受講することでバウチャーをゲットできるので、ちょっとした力試しに良い試験だと思います。

 

aknynk.hatenablog.com

 

 

 https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/paths/az-900-describe-cloud-concepts/

Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)とは

Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)は、FundamentalsというだけあってAzureの一番基礎的な試験です。AWSでいうクラウドラクティショナーのような立ち位置の試験です。

 

以下のサイトに試験のロードマップがあります。AZ-900に合格した次は、Azure Administrator Associate(AZ-104)、Microsoft Certified: Azure Developer Associate(AZ-204)、Azure Security Engineer Associate(AZ-500)へと進むのが順当なようです。

 

Become Microsoft Certified

https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE2PjDI

 

この試験は、クラウドベースのソリューションやサービスを使い始めたばかりの方や、Azure の初心者の方を対象としています。

Azure Fundamentals 試験は、クラウドの概念、 Azure サービス、 Azure ワークロード、 Azure のセキュリティとプライバシー、 Azure の価格とサポートに関する知識を証明する機会です。受験者は、ネットワーキング、ストレージ、コンピューティング、アプリケーション サポート、アプリケーション開発の概念を含む一般的なテクノロジの概念に精通している必要があります。
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問題数:出題数は40問前後? (私が受験したときは43問でした)

試験の形式:選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式

実施形式:テストセンターまたはオンライン
試験時間:60 分間

受験料金:13,750 円(税込) / 12,500 円(税別)

合格ライン:70% (700/1000点)

言語:英語、日本語、簡体中国語、韓国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語

  

docs.microsoft.com

 

試験前の知識レベルについて

※一部SAA-C02の合格記事にも記載している内容です。

 

法学部を卒業し、ITスキル0のまま2017年に今の会社にエンジニアとして入社、現在までクラウド環境の運用・運用設計の業務を担当しています。

社会人一年で基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)に合格、ベンダー試験としてはMicrosoftWindows Server 2012 のインストールおよび構成(70-410)を取得しています。

 

現在はWindows Server 2016やWindows 10、Red Hat Enterprise Linux Server(RHEL)の運用を担当しています。WSUSやLanscope Catを利用したQU・FUのパッチマネジメント、vSphere上での仮想サーバの自動構築、Powershellシェルスクリプトを利用した自動化・効率化が得意領域です。

 

Azureは技術問い合わせ対応(お客様からの問い合わせをMicrosoftのサポートに投げるだけ)の経験が3年程度あるだけで、VM、Functionくらいしか触ったことがありません。

 

元同僚に「Microsoftの無料のウェビナーを受講することでバウチャーをゲットできるよ~」とおすすめされたことがきっかけで、ウェビナーを受講、試験合格を目指すことを決めました。

  

使用した教材・研修

研修

  • Microsoft Azure Virtual Training Day: Azure Fundamentals
    2020年12月に受講した無料のウェビナーです。期間は2日間(09:30~12:30の3時間×2日間)で、頻繁に開催されていますので、まずはこれを受けてから試験を受けるかどうか考えるのも手かと思います。実際にハンズオンができるわけではなく完全に座学ですが、疑問点が出てきたら都度チャットで質問ができてその場でMS担当者が返信してくれるのがよかったです。

    無料のトレーニング イベント Virtual Training Days| Microsoft Events and Seminars

テキスト

  • 合格対策Microsoft認定AZ-900:Microsoft Azure Fundamentalsテキスト&問題集

    先ほどAmazonで調べてみたところ5月にインプレス社から黒本が発売されるようですが、私が勉強を開始した2020年12月頃は、AZ-900に関する日本語の試験対策本はこの本しかありませんでした。2020年3月に出版されたテキストのため、2020年11月の試験の更新内容は反映されていませんが特に問題ありません。このテキストは教科書的に使って、とにかく演習を解きまくりました。

 

 

インターネット教材

  • Microsoft Learn Azureの基礎
    公式の教材が第一部から第六部まで用意されています。この内容をEvernoteに書きながら勉強を行いました。ときどきサンドボックス環境でのハンズオンも用意されているので実際に手を動かしながら勉強することができました。外国語を翻訳した内容だからか、いまいち文章が頭に入ってきづらい部分があるのですが、根気強くやりました。

    Exam AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals - Learn | Microsoft Docs

    Azure の基礎 第 1 部:Azure の主要概念に関する説明 (AZ-900) - Learn | Microsoft Docs

     

  • Udemy Microsoft Azure - Beginner's Guide + AZ-900 - UPDATED 2021
    英語の教材です。13時間分のオンデマンドビデオがありますが内容は英語、日本語字幕もないので見ていません。約240問(120問×2回分)の演習テスト目当てで購入しました。ブラウザの翻訳機能を利用して問題を解きました。合格体験記を見るとこの教材を購入している方が多くいましたし、評価もよかったので買いました。定価が18,000円 (税込)と超高級品と思われますがUdemyは頻繁にセールを行っていて、90%OFFもザラなので1840 円くらいのときに購入するのがおすすめです。

    Microsoft Azure Administrator Guide Preparation Tutorial | Udemy

     

  • Udemy AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals模擬試験問題集(6回分276問)
    276問(45問~50問×6回分)の演習テストのみの日本語の教材です。上述の英語教材は1回分の演習テストが120問とボリュームが大きめですが、こちらは45問程度とスキマ時間にさくっと解くことができます。Udemyは最後まで解き終わって初めて正解・不正解が分かる仕組みなので120問解くとなると平日1日では厳しいときもあり、すぐ解いてすぐ正解・不正解を知りたい、解説を読みたいというときはこの教材は有用でした。解説の内容がものすごく分かりやすいというわけでもないのですが、シンプルな表現でよかったです。定価は3,600 円(税込)

    AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals模擬試験問題集(6回分276問) | Udemy

 

勉強方法・感想

12月にウェビナーを受けて、12月~3月はだらだらとMicrosoft Learnをやっていました。4月はUdemyの演習問題中心に勉強をしました。というのも、ふとバウチャーの有効期限を見たら6月末と記載があったので結構有効期限が短い!!!と焦って4月から本気を出し始めました。4月は新年度で会社の体制変更があったこともあり、残業は40h程度で精神的にも限界MAXの状態でしたが、業務の息抜きとして勉強をしていました。


 

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各演習テストの合格点です。括弧内は解いた日付です。最初はどうしても点数が低いですが、間違えたところはEvernoteに記録して自分の弱点を理解するようにしました。

特に、Security CenterとTrust Center、コンプライアンスマネージャーを混同することが多く、どれもセキュリティとコンプライアンス関係のサービスじゃん!といつまで経っても苦手分野でした。あと、初歩中の初歩ですが、リージョンと可用性ゾーンの区別も苦手でした。結局データセンターの集まりなわけですが、可用性ゾーンは1つ以上のデータセンターで構成されているのは分かっていても、じゃあリージョンにはいくつ可用性ゾーンがあるの!?1つ以上なのか!!というのを何度も間違えました。AWSだとマルチAZ構成という前提で勉強していたので、AZが1つの場合もあるんだな~というのを雑に学びました。

 

また、AWSとAzureのサービス対比を常にイメージしながら勉強をしていました。

Azureの Virtual MachinesはAWSのEC2、Cosmos DBはDynamo DB、FunctionsはLambda・・・というように、だいたい似たようなサービスがAzureとAWSには用意されています。Azureでのハンズオン経験が少ない中で、AWSの多くのハンズオンを思い出しながら「触ったことのないサービスだけど、だいたいこのような機能があるのだろう」と紐づけすることで覚えていきました。

 

Azureのほうがサービス名を見るだけで機能の内容が分かるシンプルなサービス名な一方で、AWSAWSならではのサービス名がついています。私にとってはAzureのシンプルなサービス名が逆にイメージしづらく、結構しんどかったです。

たとえば、AWSにはElastic Beanstalk というWebアプリを迅速にデプロイし、管理するサービスがあります。Azureで同等のサービスとなると、Azure App Serviceが該当します。Azure App Service。アプリのサービスなんだな、ということは分かるのですが、じゃあアプリの何のサービスなの?となるわけです。AWSのBeanstalkというのは『ジャックと豆の木(Jack and the Beanstalk)』が由来であると研修かどこかで伺いました。物語の内容を詳しく知らなくとも、主人公がぐんぐん伸びる豆の木に登る話だよな、とイメージがつきます。サービスのアイコンも緑色で木っぽいデザインになっています。Beanstalkの場合は、『ジャックと豆の木(Jack and the Beanstalk)』の木がぐんぐん伸びるところから、迅速にデプロイするサービスなのだなと連想できるのですが、Azure App Serviceという名前から「アプリのサービス」以上に連想できるものがなく、個人的にはしんどかったなーと思っています。良い悪いという話ではなくて、私は多くのサービス名から物語性を連想してサービス内容を理解していくほうが得意でした。

 

docs.microsoft.com

qiita.com

 

 

結果・さいごに

1000点満点中745点、つまり75%の正解率で合格しました。合格ラインは70%なので、ギリギリでした。あぶね~~~~~~!SAA-C02のときと同様、演習問題でいくら80~90%の合格率に達していても、本番では早々うまくいきませんね。予想通り、ID、ガバナンス、プライバシー、およびコンプライアンス機能の分野の得点率が低かったです。Azureの試験も過去問が公開されているわけではないので対策の立て方が難しい部分もありましたが、Microsoft Learnという教材があったのはよかったです。

試験に合格すると達成感がありますし、単純にうれしいので小まめに何らかの試験を受けて達成感とうれしさをゲットしていきたいです。次はAzure Administrator Associate(AZ-104)だろうか。久しぶりにIPAの試験も受けたい気持ちもある。