ご褒美の時間

今日は洗い物をしないと決めた。

 

夜ご飯にはお好み焼きを食べた。昼ご飯にもお好み焼きを食べた。

去年の今頃はまだ一人暮らしをしていて毎日の夜ご飯はパスタと決まっていた。塩分が多いし自作のペペロンチーノ(具無し)には飽きてきたので同棲を始めてからパスタソースをよく使うようになった。青の洞窟がおいしすぎて「おいしい、おいしい」と何度も言いながら食べていたらパートナーに笑われた。それでもやっぱりパスタには飽きて、キムチを作ったりポテトサラダを作ったりお好み焼きを作ったり、とりあえず私は洗い物を増やしたくないし料理を作るのが面倒なので一度に大量生産してそれを少しずつ消費する、同じものを食べ続けるスタイルを取ってしまう。

 

今はなんとなく精神が落ちていて、ちょっとしたことで涙が出てしまう。

食べるのにも元気がいる。ああ生きるのってなんて面倒くさいんだ。

 

 

結局私は本気で誰かに見捨てられたことがない。

疎遠になったあとも気にかけてくれるひとたちばかり。

でも、そういうひとたちに対してとどめを刺して、自らの手で突き放してしまう。

冷静に考えてあのときのあなたの行いは許されるものではない、現に私の痛みはまだ癒えていない、痛くて痛くてたまらないんだよ、今もあなたは私に優しくしてくれるけど、それで私が喜ぶと思った?過去を忘れたわけじゃないよね、過去の罪を許されたくて、気持ちよくなりたくて私に優しくしてるんですか?ねえ、あなたの言い分を聞かせてよ、ああやっぱり間違ってるね、インターネットのひとたちはどう思うかな?やっぱり私の味方してくれるよ、かわいそうだってね、私に幸せになってほしいってね、勝手に言ってくれるんだよ、それに救われるときもあれば全然うれしくないときもある。

 

ときどき気圧とか季節とかで精神がおかしくなるけど、精神がおかしくなった私も私なんだよ。誰に許可されるでも認可されるでもなく、私の存在は私が決めるんだよ。

 

 

   *

 

 

『梨泰院クラス』を観ている。しゃらくさい物語なんですよ、胸糞悪いシーンもすごく多い。1話1時間以上あって、16話もある。単純に韓国ドラマは長すぎる。

なんでこんなにいらいらしながら見てしまうのかというと、主人公の志の高さに胸を打たれるんですね、こんな志が高くて信念を貫いて生きている人間なんてフィクションでしかありえない、そう思いたい、現実にいたらきっと私は打ちのめされて死んでしまうだろう、本気でそう思いながら見ている。

 

フィクションから現実が正されていくってことが往々にしてあるじゃないですか、こんなの理想論だ、フィクションだ、夢物語だって一蹴されても、みんなが同じ思いなら現実だって変わっていく。その可能性を私は捨てたくない。私は本気です。こういう世の中だったらいいなあって思う、世の中っていうか、私の生き方として、何かひとつでも志があれば頑張れたのかなあって過去形で思う。でももう疲れ切ってるの、現実に、仕事に、人間関係に。どうしたらうまく生きられるんだろう。

 

全然感情移入できない人間たちの胸糞悪い物語、でも、主人公に片想いをしているチョ・イソっていう女の子の恋の行方も気になるから仕方なく見ている。

主人公は別の女の子が好きで、チョ・イソはずっと主人公に片想いし続けてるんですよ、でまた主人公が悪い男で膝枕してあげたり頭撫でたり寝てたら上着かけてくれたりするヤツなんです。そういう思わせぶりな行動をする主人公は、ちゃんと物語の中で「そんな思わせぶりな行動をしてもイソを苦しめるだけだからやめてください」って言われてる。それでもイソはたった一回彼に膝枕してもらったこと、そのときに初めて主人公の内面、志を持ったきっかけを自分だけに話してくれた思い出を噛みしめながらずっと主人公のそばにいる。あれは自分にとってのご褒美だったと泣いているように見えて、なんだかすごく身に覚えのある感情で、イソのことがすごく好きになった。

 

 

 

   *

 

 

挫けずに、前向きに生きていきたい。

あんまり怒らないで、泣きもしないで健やかに毎日眠れたらいい。

 

今の自分の欲望。

韓国語を習いたい。スパイスレッスンに申し込みたい。ワンダヴィジョンが観たい(ディズニープラスには入りたくない)。フォトウェディング用のヘッドドレスとピアスがほしい。モスグリーンのネイルポリッシュがほしい。ビオレのぬれた肌に使うボディ乳液がほしい。ジェルネイルのキットがほしい。オカムラのオフィスチェアがほしい。

 

自分の容量に合わせて、欲望の大きさをトリミングして、破綻しないよう細心の注意を払っている。

 

雨宮まみさんの『東京を生きる』という本に、本当に欲しいなら、何も我慢せず手に入れればいい、それなのにお金がないからとか置く場所がないから使う機会が多くないからと何かと理由をつけて手に入れる機会を自ら手放している、そういうのがしんどいというようなことが書かれていた。私は欲しいと思ってから買うまでにすごく時間がかかるタイプだけれど、今年は少しでも欲の瞬発力を上げられたらいいな。別に死ぬわけじゃないし、欲しいと思うならすぐさま買ってしまっていいんです、好きになれるかどうかってやっぱりタイミングがあるからね。2010年代後半、大人になってから『池袋ウエストゲートパーク』読んでもそんなに面白いと感じなかったし。

 

タイミング、逃さないように!

 

 

東京を生きる

東京を生きる

  • 作者:雨宮 まみ
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 単行本