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「父親との関係に悩んでいる」について、ラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』書き起こし

今日は、『ジェーン・スー 生活は踊る』というラジオ番組の相談コーナーの書き起こしをします。TBSラジオpodcast配信を終了した代わりにTBSラジオクラウドをスタートして(ストリーミング配信のためWi-fi環境のない出先で聞くのが難しい)、最近またラジオクラウドという新しいサービスを始めてまたオフラインでもラジオが聞ける!と飛び跳ねていたところで、聞いた2016年8月25日の『ジェーン・スー 生活は踊る』の中の、「お悩み解消コーナー 相談は踊る」のお悩みです。
中学2年生の男性から「父親との関係に悩んでいる」という相談についてジェーン・スーさんと蓮見考之アナウンサーが回答していました。

radiocloud.jp

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蓮見考之:それでは通算663件目のお悩み、今日は匿名希望、中学二年生の男子からです。「こんにちは。『相談は踊る』のときから毎週拝聴しています。『生活は踊る』のほうはラジオクラウドですが、毎日楽しみにしています。今、僕は中学二年生で父と二人暮らしです。母は僕を産んだときになくなり、32歳と30歳の兄が二人おりますが、二人とも実家を離れて結婚し家庭を築いています。相談したいことは、父との関係についてです。小さい頃から父と二人で暮らしてきて感じるのは、兄たちよりも愛情を注がれていないということです。というより、正直に言うと嫌われているような気がするのです。なぜ、そう思うようになったかというと、ずっと母は僕が幼いときに亡くなったと聞かされていたのですが、小学四年生の時にたまたま戸籍謄本を見てしまい、母の命日が僕の産まれた日と同じだと知りました。母は高齢出産で僕を産んだせいで亡くなったんだと思います。兄たちからは、父が母をすごく大切に思っていたと聞いていたので、自分が母を殺したと知ったときはすごくショックでした。そのあとで、父が今まで参観日や運動会に全く来てくれなかったのも、仕事が忙しかったから、という理由ではなく、僕のことが嫌いだからなのではないかと思うようになりました。ちなみに、父も兄も家にいないときに見たので、僕が母の命日を知っていることは知らないと思います。母の話は父があまり話したがらなくてタブーのようになっています。今は父の仕事が中学生になってから、さらに忙しくなったので、あまり顔を合わせることはありません。おそらくこのままの関係だと良くないと思いますが、何をどうしたらいいのか分かりません。もう中学生なのに親に好かれたいと悩むのはおかしいかもしれませんが、真剣に悩んでいます。スーさんはお父様と昔あまり仲が良くなかったという話をラジオでされてて、ずっと相談したいと思っていました。周りに相談できる人もいなくて困っています。よろしくお願いします」と。

ジェーン・スー:んー、中学二年生の男の子、つらいね。色々一人で思い悩んじゃって、メールありがとうございました。これねえ、…結構歳が離れていらっしゃるんですねお兄さんたちと。32歳と30歳のお兄さん。中学二年生って多分14歳?だから、お兄さんが16歳と18歳のときに生まれた。ねえだから親子ほどとは言いませんけど、かなり歳の離れたお兄さんで、ということはお父さんも多分同世代の学校のお友達よりはちょっと年上なのかな。

蓮見考之:可能性はありますね、ええ。

ジェーン・スー:そうですよね。仕事はお忙しいということで。これねえあのお母さんが、自分を産んだせいで亡くなったかどうかって、聞いてないから分かんないっていうのもまず一つ冷静にはあるのと、たとえ、じゃあそれがきっかけだったとしても、お母さんの多分意思もあったはずだから、そこには。

蓮見考之:うん

ジェーン・スー:産む方の意思として、この子を産む、自分の命にリスクがあったとしても、っていう決断をしたのか、もしかしたらそんなこと全く分かんないで、出産をしたあとに何かしら体調を崩されて突然、命が終わってしまったのかもしれないし、とにかく、自分が殺したって言い方はやめよう。

蓮見考之:それはね。

ジェーン・スー:ないから。

蓮見考之:それは、絶対言っちゃダメ。

ジェーン・スー:そうそう。

蓮見考之:言っちゃダメだし、殺してないよね。

ジェーン・スー:殺してないから。そうそうそう。で、多分このね、匿名希望の男の子の頭の中には、「どうしますか、あなたの命が危険ですよ、この子を産みますかどうしますか」とか色々ストーリーができちゃってるのかもしれないんですけど、

蓮見考之:はい。

ジェーン・スー:聞いてみないと分からないので、これはただどのタイミングで聞くかですよね。

蓮見考之:そうですよね。まあご本人の感覚ではおそらくお父様もお兄様も自分がそのことを知ったという事実は知らないと思うと。うーん。

ジェーン・スー:うん。参観日や運動会に来てくれなかったのは嫌いだから、いや嫌いだからもない。嫌いだからも多分ない。よっぽどあなたがお父さんに嫌がらせとかをしてない限り、嫌いだからも多分ない。

蓮見考之:はい。

ジェーン・スー:なぜならやっぱり一緒に住んでて、忙しいのはね、多分学校のこととか色々あるからお父さんもまだちょっと稼がなきゃいけないとこもあるんだと思うし、あとまあ男の子と二人でどうやって、こうなんていうんだろう、対応していいのか分からないみたいのもあるのかもしれないねえ。

蓮見考之:そうですよねえ。ただでさえ夫婦二人揃っていてもですよ、男の子三人をまず育てるということ自体が難しいし、仮にお母様が、この相談者の中学二年生の男の子が産まれた際に亡くなって、奥様がいらっしゃらない状態だとしたらもう16年ぶり18年ぶりの子育てですよ。

ジェーン・スー:そうだ。

蓮見考之:それをお父さんが、一手に引き受けているんですよね。ですから本当に、それどころじゃなく無我夢中でやってこられたっていうお父さんのご苦労がきっとあるということは、それはどうか察して、

ジェーン・スー:いや、うんと、どうだろうな、あの、それ察する必要は子どもはないと思うのよ。あの、そこを察してくんになっちゃうと、アレなんで、もうちょっと構ってくれよっていうのを思ってて、その、「中学生なのに親に好かれたいと悩むのはおかしいかもしれませんが」、そんなことないですよ。

蓮見考之:そんなことはないですよね。

ジェーン・スー:40なって50なったってみんな親に好かれたいっていう気持ちはあるし、てか誰かに嫌われたいなんて思ってる人はいないから、察しすぎるのもさ、またちょっとお兄ちゃんとかに一回話してみるのはいいと思うよ、うん。

蓮見考之:そうですね。

ジェーン・スー:実家を離れて、多分結婚してご家庭を築いていらっしゃるので、ちょっと実家のことを弟さんのことは、あの疎遠とは言わないけど、なんだろ少し距離を感じてるかもしれないけど、お父さんにはお父さんの事情があったんだっていうことで、察して自分が我慢する必要はないと思うんですけど、ただ、嫌われてるわけではないということを知るのはね。

蓮見考之:そうですね。

ジェーン・スー:早いほうがいいですよね。お父さんにね、手紙を書くとちょっとね重くなると思うんで、あの顔合わせる時間もあまりないということですから、交換日記みたなのやってみたら?少しずつ今日学校でこんなことありましたとか、暑くなってきたけどお父さん体に気をつけてねとか、一言書いてお父さんの帰ってきたときに読むテーブルの上に置いておくとか。で、お父さんも何かよかったら何か一言書いてくださいって顔を合わせるコミュニケーションじゃなくてもう、一言書いてもらうのはいいんじゃないかなあ。私は親とそんなことやってないけど、あの、うちは母親死んじゃったので、あとから、で、そこからゼロからだったので。あれっ親だと思ってたけど母親っていうショックアブソーバーがなくなったらこの人のこと何にもしらないっていうところから始まったので、ちょっとこの方とは状況が違うところではあるんですが、ただ、親は親でどうしたらいいのか分からないっていうところあるっぽいですね。あとね残念ながらもうすごい、多分中学二年ぐらいのときに私も気づいたことだと思うんですけど、残念ながら親って完璧じゃないんですよ、ジャスト人間なんですよねえ。だから辻褄が合わなかったりとか、もう無茶苦茶言ったりとかこうまあしゃあない、こういう風にしか私のことを愛せないんだこの人はっていう風に思ってからは大分楽になったので、でもそれを分かるためにはやっぱりどうしてもコミュニケーションが必要だったなと思うんで、一言交換日記をちょっと私はオススメしたいかな。

蓮見考之:この、愛情の注がれ方っていうのはこの方はどういうものを求めているんですかね。

ジェーン・スー:多分自分のほう向いてほしいんでしょう。まず普通に顔を見て話すとか、「お前どうしてる?」とか「学校どうなんだ?」みたいなことだったり、あと授業参観に来るとか運動会に来るとかいわゆる言い方悪いですけど、あの母親が生きてたら母親が担当すると思ってたこと、そう、お兄ちゃん二人のときは多分お母さんがそれやってくれてたのよ。

蓮見考之:はい。

ジェーン・スー:だからお父さんは、そこの部分まで自分がやらなきゃいけないっていう自覚が、あんまないのかもしれない。だけどそういうのがなくて寂しいですっていうのは恥ずかしいかもしれないけど、かけんのはむしろ中学生のうちっていう気もしなくもない。高校行ったらまたこじらして、これねうまく早くしたほうがいいんだよね、なんでかっていうと、両方大人になっていくと、もう、歩み寄れなくなってくるじゃないですか。難しくなるでしょう。

蓮見考之:うん。

ジェーン・スー:中学二年生で親に好かれたいのは普通。で、嫌われてるんじゃなくてお兄ちゃん二人のときはお母さんと二人で育ててたから、多分その、中学二年生の匿名希望さんが欲しがってるところが多分お母さんが与えてたんだと思うな。うん。そこはあったかも私は、母親が死んで父親と。なんでこれこういうことしてくれないんだろうって、あっそれは母親がすると父親がずっと思ってたことなんだなあって。

蓮見考之:へえ。

ジェーン・スー:どうですか蓮見さん今、お子さんと二人と蓮見さんだけになったとしたら。

蓮見考之:まあ(愛を)注ぎたくても注げないぐらいテンパるでしょうね。一人じゃ私何もできませんから、多分。

ジェーン・スー:そんなことない。

蓮見考之
:いや、でもほんとでも、少なくとも、二人で今生活してますよ、本当に嫌いだったら、

ジェーン・スー:嫌いはまずない。

蓮見考之:ね。

ジェーン・スー:絶対ない。

蓮見考之:うん。

ジェーン・スー:嫌いはないですね。それは全然考えなくていいです。多分お父さんテンパってる。

蓮見考之:うん。

ジェーン・スー:なぜなら、お父さんも人だから。

蓮見考之:そうですよねえ。

ジェーン・スー:完璧じゃないんですよ。今の気持ちこれ私たちにメールしてくれてすごくありがたいんですが、ちょっとずつでいいからお父さんとかお兄さんとかに出してあげてください。「そうかあの子には母親の愛情っていうのが注がれないからその分俺たちがなんとかしなきゃいけなかったのか」っていうことを、お兄さんお父さんが気づいてくれるためにはその第一歩を、匿名希望さんが踏み出す必要があるかなと思ったりもします。

蓮見考之:そうですね。まあお墓参りとかも、ご家族揃って、行ってみるとかね。

ジェーン・スー:それいいですね。いかがでしょうか。メールありがとうございました。嫌われてないよ、殺してないよ。

(書き起こし終わり)

 *

これ、バイト終わって帰ってる途中で聞いてたんですが、バカかって思うくらい涙が出た。
普段から家庭環境で自分自身が悩んでいることもあって、こういう他人の家庭がどうなっているのかって知る機会が少ないからこそ余計に、垣間見れた瞬間に無茶苦茶抉られたりして、その中でもこれは聞いてほしいと思ったので書き起こししてみました。

あとこれは宣伝ですが、以前書き起こした、ミッツ・マングローブオールナイトニッポンGOLDの、渋谷区の条例について、セクマイについてのミッツさんの見解が興味深かったのでよかったら読んでください。

ミッツ・マングローブオールナイトニッポンGOLD 2015年4月1日

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