CCNAとは
CCNA 認定は、絶え間なく変化する IT 環境に対応できる能力を持っていることを証明します。CCNA 試験は、ネットワークの基礎、IP サービス、セキュリティの基礎、自動化およびプログラマビリティを対象としています。俊敏性と汎用性を考慮して設計された CCNA は、今日における最も高度なネットワークを最適化して管理するために、必要なスキルを保持していることを証明するものです。
CCNA のトレーニングコースを受けて試験に合格することで、あらゆる方向でキャリアを積むための基礎を身につけられます。シスコの認定を取得すれば、あなたが厳密さと標準技術を身につけ、市場のニーズを満たす以上の存在であることを企業が認めている証明となります。
とのこと。
受験のきっかけ・試験前後の知識レベルについて
仕事を始めてから7年目(当時)、インフラエンジニアとコンサルタントの間を彷徨って仕事をしています。応用情報技術者は新卒一年目のときに取得しましたが、実務においてネットワークに触れたことがほぼありません。AWSやAzureで仮想ネットワークを作ったことがあるくらい、それもサブネットやルーティングの知識がほとんど無いまま適当にやっていました。しかし仕事をしているとネットワークと密接に関わる状況に置かれることも多く、このままではいかんぞ、ということで重い腰をあげてCCNAの勉強を始めました。
とにかくネットワークに対して苦手意識がありました。「L2スイッチ」と聞くと拒否反応が出るというかなんというか、そもそもスイッチとは何か、スイッチとハブは何が違うのか、スイッチとルーターは何が違うのかを私は知りませんでした。
また、職場やSNSで出会うネットワークエンジニアは一癖も二癖もあるような人が多く、それもネットワークの苦手意識に拍車をかけました。
CCNA取得前、データプレーン、コントロールプレーン、マネジメントプレーンといったSDNの基本概念を理解できていませんでした。仕事で必要になるたびにその都度ググってQiitaを読んでそのときは納得したつもりになって、でも結局腹落ちはしていませんでした。どこが何のプレーンなのか、分かっていませんでした。
CCNAの勉強を通して、SDNの基本概念は理解したつもりです。ざっくりと、データプレーンは実際にパケットを送受信するところ、コントロールプレーンはルーティングテーブルの交換などの役割を担うところ、マネジメントプレーンはコントローラーに向けAPIを実行するところ……。頭の中で図が書けるようになり、腹落ちしたので、もうその都度ググらなくても大丈夫になりました。Northbound API、Southbound APIについても理解しました。ただ、North-Southの通信の流れについては理解したけど、East-WestはCCNAの範囲じゃなかったので正直あんまり理解していないような感じです。
なぜCCNAを選んだかというと、新卒一年目のネットワークエンジニアが取るような資格、という印象があったからです。社会人7年目にしてCCNAの勉強を始める……ということもあり本記事のタイトルに「いまさら」と付けています。IPAのネットワークスペシャリストでも良かったのですが、午後の記述式の対策のハードルが高いことや、試験が年に一回しか開催されないこともあり選択肢からは外れました。LPICやLinuCはCCNAに合格したら勉強しよう、と思っていました。
結果
合格
後述しますが、私はシミュレーション問題をすべてスキップしたので、Network Fundamentals やNetwork Accessのあたりのスコアが悪いんだと思っています。
実績
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勉強期間:2024年2月下旬~2024年7月末
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勉強時間
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目標:218時間
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実績:222時間(目標時間+4時間)
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勉強方法
勉強のルール
- 平日は2時間勉強する
- 基本的に土日祝は勉強しない(してもよい)
- 旅行・飲み会・食事のなどの予定がある日は勉強しなくてもよい(できれば1時間勉強する)
- 夫と喧嘩したときや精神的につらいときは勉強しなくてもよい
- 前借りはしない、しかし借金をしたら返すというルール
- 目標時間を達成したらそれ以上勉強しない(前借りはしない)
- 勉強できなかった日や、その日の勉強時間が目標時間に満たなかったときは、後日その分の勉強をする(借金したら返す)
使用したアプリ
- Studyplus:勉強時間の記録用のために使用
- Notion:ノートとして使用
- Excel:勉強時間の目標と実績(Studyplusでは週次での目標設定しかできない&目標時間をグラフ化して確認できないためExcelを使用)、あとは問題集の得点を記録するために使用した
- ストップウォッチ:https://stopwatch.onl.jp/ のサイトを頻繁に使った
使用した教材
- テキスト
- サイト
使用しなかった教材
- Ciscoのルーターやスイッチなどの実機
- テキスト
- 黒本:インプレス『徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応』
- 赤本:SBクリエイティブ『Cisco試験対策 Cisco CCNA問題集 [200-301 CCNA]対応』
- インプレス『1週間でCCNAの基礎が学べる本』
- SBクリエイティブ『Cisco試験対策 Cisco CCNA Routing and Switching/CCENT問題集 [100-105J ICND1][200-105J ICND2][200-125J CCNA] v3.0対応』
- SBクリエイティブ『図解入門TCP/IP 仕組み・動作が見てわかる』
- SBクリエイティブ『イラスト図解式 この一冊で全部わかるネットワークの基本』
- Pearson『CCNP and CCIE Enterprise Core ENCOR 350-401 Official Cert Guide』
- 技術評論社『GNS3によるネットワーク演習ガイド ――CCENT/CCNA/CCNPに役立つラボの構築と実践』
- 技術評論社『3分間ネットワーク基礎講座』
- サイト
- GNS3 https://www.gns3.com/
- Udemy
- 【超絶入門】CCNA対策 Packet Tracerで学ぶ ハンズオン講座 https://www.udemy.com/course/ccna-packet-tracer/
- 【CCNA試験合格対策講座】完全未経験から合格を目指そう!(書き込みノートあり!シミュレーション問題も完備!) https://www.udemy.com/course/ccna-full/
- その他
- デジタルアーキテクト『ロジックベイン CCNAバーチャルラボNetworkVisualizer6 USBライセンス』
勉強方法
- まずは事前調査をします
- 使用する教材、使用しない教材、勉強時間、目標の点数をインターネットに転がっている合格体験記を50件ほど読んでリスト化しつつ決めていきます。
- 次に、4,268円もする重くて分厚い白本を買い、覚悟を決める
- Notionで自分用のノートを作りながら以下を読む・見る
- ping-tや白本などの問題集を解く。
- 正答率が75%になってきたタイミングで試験の予約をしました。
勉強のコツ
IPアドレスの計算周りはExcelを活用していました。自力で計算するのは二の次で……。そしてちょっとダサいやり方な気がするので公開するのが恥ずかしい。もう少しおしゃれなやり方だったらよかったかもしれないけれど、別にこれで十分だった。
サブネットを計算したいときは、左からカーソルを合わせて合計値を見る(キャプチャの場合は224)
「〇台分のIPアドレスが必要」という問題のときは、右からカーソルを合わせて合計値を見る(キャプチャでは合計:31。/27でネットワークアドレスとブロードキャストアドレス分を引いて29台分のアドレスを確保できる、と分かる)
暗記のコツ
- IPv6
- マルチキャストアドレス(ff00:/8):「ファイナルファンタジー」
- ユニキャストアドレス
- グローバルユニキャストアドレス (2000::/3) :「2000年グローバル化」
- リンクローカルユニキャストアドレス (fe80::/10) :「鉄」←???謎の覚え方
- ユニークローカルユニキャストアドレス (fc00::/7) :「ユニークFC(ファンクラブ)」
- デフォルトゲートウェイ冗長化プロトコル
- STP
- 「Spanning Tree “Day”」→ IEEE802.1D で標準化されている
- 「STPのSはSmallのS」
- STPにおいてルートブリッジにしたい場合はプライオリティを0にします
- 一方OFPSはDRとBDRの選出の際に、プライオリティ値が最も”高い”ものが選ばれます
- この、プライオリティの高いほう/低いほうはSTPなのかOSPFなのか一瞬迷うときがあったので、「STPのSはSmallのS」と覚えるようにしました
- RSTP
- ポリシングとシェーピング
- 「ポリ破棄」(ポリスが何かを破棄しているイメージ)
金額
受験方法
- 試験予約
- Ciscoのアカウントを作成して、ピアソンから試験を予約しました。
https://www.cisco.com/site/jp/ja/index.html
- Ciscoのアカウントを作成して、ピアソンから試験を予約しました。
- 受験
- 「128 64 32 16 8 4 2 1」というのをまずホワイトペーパーに書いて、IPアドレスの計算周りの問題がいつ出題されてもいいように準備しました
- シミュレーション問題は3問出題されました。
- 複数選択問題については、全部にチェックを入れて明らかに違うものからチェックを外していく、というスタイルで勉強していたのですが、試験中にそれをやろうとすると「チェックできるのは2個までです」といったポップアップがご丁寧に出てきてしまい、できない。PMPのように斜線やハイライトが引けたらいいのだがそれもできない。間違っているものを選択肢から外していくのではなく、正しいものを選択していくほかないのが地味にダルい
- Cisco語については特に抵抗はないものの、確認のために英語に変換して読みたいときもある。が、英語に変換する機能はない。AWSやMicrosoft の試験は英語に変換する機能があったと思うけれど……。
- 問題の傾向としてはルーティング関係の問題が多いように感じました。IPv6の問題は1問か2問と少なめ。サービスポートやディストリビューションポートなども苦労して覚えたけどそんなに出なかった。RADIUSやTACACS+もそんなに出なかった
最後に
やっとネットワークの基礎を理解した、という感じ。ようやくスタートラインに立てた感じがする。
シミュレーション問題を全飛ばしした人間が何を言うかという感じかもしれないけれど、丸暗記ではなくて、ちゃんと理解しようという思いで勉強を進めたがゆえに、5か月も勉強していた。最初の2か月はとにかく教材を読んでノートをまとめる時間で、後半は問題集を解く時間だった。合格体験記を読むと1か月とか2か月で合格したという優秀な方がたくさんいたけれど、私はその方たちのような合格に最先端で到達するための効率重視の勉強はしなかった。もちろん合格することは大事だけれど、それよりも自分の実になる勉強がしたかったので、それができてよかった。
毎日2時間のCCNAの勉強に加え、毎日15分韓国語の勉強をしていて、何気に勉強を両立できたのもよかった。
次はもう少し軽めの勉強をしようかなと思っています