なめらかな演技

彼は煙草を吸うときベランダに出る。私は彼の帰りを布団の中で待つ。今朝、おひるね前の一服、私は中島みゆきの『糸』を歌いながらジェラートピケの靴下を履いていた。「あたためうるかも〜しれないよ〜」と謎のアレンジを入れながら。ベランダから彼が帰ってきて、「靴下履くときいま何か歌ってなかった?」と言われる。まさか靴下履いてる様子を見られてるとは思わず恥ずかしかった。「元気よく歌いながら靴下履いて、ご機嫌な幼児なの?」とも言われる。彼の前では幼児になるし、赤ちゃんにだってなる。今まで自我が芽生えてから、誰にも見せていなかった自分の甘えたでくっつきたがりな幼児なところを、彼の前では見せている。

 

このまえ推しの美容師さんには「分かりやすい」と言われた。「前髪これくらいの長さでいいですかね?」「そうですね…」「もう少し切りましょうか、これでどうですか?」「ハッ…!これがいいです!」みたいなやりとりをしたからだ。すぐ態度や顔に出る。私は本当は分かりやすい人間なのだ。平凡な、ありふれた、普通の人間。

 

推しの美容師さん、ベラベラ喋るでもなく、自分が喋りたいときに喋っている感じがしてとても好感が持てる。ありがちなうわべだけの虚無トークはせず、自分の気持ちを話してくれる。彼は陰キャ寄りの美容師でさりげなく毒づくことが多い。話さなくても別に何も思わない、何より技術が高いのでいつも仕上がりが最高にイイ女って感じになるのが精神的に良い。

 

推しの美容師に結婚の話をする。「一人暮らしは自由が利いたけど、共同生活は自由がなくなりますよ、と。喧嘩の話もした。相手が悪かったとしても、私の指摘の仕方、言い方が悪かったなってときがある。余裕がないときはふたりとも病んで別居生活になるときもあるけど、お互いに納得するまで話し合ってそれで生活を立て直せる、それがよかったと自分の本音を話す。すごくシンプルに受け止めてくれて居心地がいい。

 

 

最近よく夢を見る。

 

3/5(金)-3/6(土) 夜の夢

スーパーに買い物に行く夢。カオマンガイを作る予定だったが、かたまりの鶏肉がないため挽肉を購入しガパオライスに予定変更する夢。また、春巻きを作るために諸々の材料を買って帰る夢。

 

3/6(土) おひるね時の夢

ツイッターでフルーツサンドのツイート見てフルーツサンドが食べたくなる。パートナーと買いに行こうという話になりコージーコーナーに行った夢。彼がお金足りないと言うので私が一万円札出したところ、彼はありがとうも言わずに店員の女と仲良く話していた。むかついてその場を離れるという夢。

 

3/6(土)-3/7(日) 夜の夢

美容室で金髪にしてもらったはいいが、毛先に茶色が残っており、まだら模様だからとお直しで再度美容室に行く夢。お直しのときはホットペッパービューティーから予約するわけにもいかず、とりあえずお店に行ったものの勝手が分からず苦労した。

 

3/7(日)、おひるね時の夢

脱出島というゲームの夢で、宇宙空間から脱出するという内容。大きい螺旋階段妹を降りると妹と妹の幼馴染に会う。どうやら卒業式終わりのようで、また、これから入社する会社の社員証タイランド製であることに驚愕していた。
何者にもなれなかったひとたちの集まりにぼんやり馴染めないまま、近くにいたおじいさんに一番簡単な脱出の仕方を教えてもらった。9通りある脱出の仕方のうち、何万年後に移動してから、タクシーを拾って戻るのが一番簡単とのことだった。

 

私が夢を見るときは、大抵疲れが出ているときなので、今もおそらく疲れているのだと思う。

 

 

最近永山瑛太さんのことが大好きになりつつある。『それでも、生きていく』を見た後、『若者たち2014』という昭和っぽいドラマを見終わり、今は『最高の離婚』を見ている。瑛太さん、何見ても瑛太だな〜!って思うときがなくてすごいなーーと思う。何見ても同じ演技だな〜!って思う俳優さん、それはそれで良いのだけれど、瑛太さんの役への馴染み方、浸透の仕方、にいまさら感動している。台詞がとても聞き取りやすくて、表現が繊細で、無理のない感じが素晴らしい。

 

『若者たち2014』は、若者たちが観るドラマというより、若者ではないひとたちが観て若い頃を懐かしむようなドラマで、妻夫木聡が「理屈じゃねえんだよ!」と大声を出して瑛太柄本佑野村周平満島ひかりといった弟妹たちと懸命に生きていく、とても裕福とは思えないどちらかというと貧困層側の物語で、瑛太はムショ帰りの次男という役どころで、最終的には長澤まさみとくっつくわけですが、この大人の恋愛の演技がメチャクチャすてきですてきで仕方がなかった。瑛太がいなかったら『若者たち2014』、見終わることができなかった。ふとした会話の流れで「おれたち一緒になるか?」って一歩距離を詰めてドキッとさせるような、あ、これマジのやつだ、マジのトーンの話だな、って空気をガラッと変える技術。相手に一歩踏み込んで、抱き寄せて、内面を引きずり出して、追い詰めて、それでいて不快じゃない、彼の襟を正して整えられた演技。不快じゃない演技のすごさ をどう伝えたらいいのか分からない。水のような感じで、飲んでいて喉に引っかからない、スーッと染み込んで自分の体温に戻るようなそんな感じがする。私は 水のような ひと、ものが好きです。自分の身体の一部になる、豊かでいて不純物がないような、なめらかなもの。瑛太のなめらかな演技、4月からは『リコカツ』が楽しみ。

それはそうと2021年春ドラマ、観るもの多すぎませんか!?今回のブログはあんまりまとまりがなかったな。感情がうまく乗らなかった。