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雑記(7月17日~8月3日)

・7月17日(日)

先日渋谷を歩いていたら「カットモデルやりませんか」と声をかけられた。声をかけてくれた方はとても若い女の子で話を聞けば同い年だという。「就活お疲れ様でした!私の友達もいま就活の真っ最中で…」と彼女が話しているときに、この新人の美容師さんは4年生の大学ではなく専門学校を2年で卒業し就職した、私とは違うスタイルの人生を歩んでいる人なんだと思い至った。「きっときれいにパーマかかると思いますよ!絶対似合います!」と私の髪をそっと撫でてこちらを見上げてくる彼女の足はぺたんこ靴を履いていたので長時間道行く人に声をかけているのだと想像した。就職活動も終わったし、3年ぶりくらいにカットモデルやるか~と承諾すると笑顔で喜んでくれたのがとても印象的だった。
17日はその彼女が働く代官山のおしゃれ美容室で初めてパーマをかけてもらった。髪を少し切られ、前下がりだった髪が前下がりではなくなってしまいしかもそれが思いのほか似合わないことにショックを受けたけど(伸ばしてもいないし切りたくないわけではない、と曖昧な言い方をしてしまったため)、パーマはとてもかわいく仕上がった。ヘアアイロンを使わずとも濡らしてブローしてワックスつけるだけでくるくるが持続するのは、忙しい朝でもおしゃれしたいと思いつつ実行できない私にはとてもありがたかった。美容室には彼女以外に、男の見習い美容師さんがいて、シャンプー前にヘアカタログの一部分を指差し「ここに載ってる男の人、今あそこで髪切ってるんですよ~」と彼女の示す先にいたお店で一番偉いっぽい美容師さんにめちゃくちゃにしごかれていた。「適当にやってもダメだから、一本一本乾かすつもりでやって」とブローから怒られていた。「はい」と不服そうに返事をする見習いくんも、スマホをいじりながら横柄な態度で新人を指導する先輩もすごく怖かったが、きっとこのお店で働く人たちはそういった指導(洗礼)を通過してきた人たちなのだろう。客がいる前でも問答無用でブチ切れる一番偉い人がこっちに来て「これから髪切っていきますからね~」と笑顔で私の前髪を撫でたのがちょっと怖かった。


・7月19日(火)
例の厩務員の人とお泊りをした。

aknynk.hatenablog.com
黒味噌ラーメンを食べたり、カップルシートでレイトショーを観るなどした。白石和彌監督・綾野剛主演の『日本で一番悪い奴ら』を観た。彼は電気グルーヴが好きなので、ピエール瀧を観にいこうとこれに決めたのでした。エロあり暴力ありでヤバい映画だった…。ホテルに戻って深夜バラエティを見ながら一緒に笑ったのが楽しかった。初めてパーマを褒められてうきうきする。


・7月20日(水)
同じ大学に通うバイト先の後輩と食事に行った。彼女は大学三年生なので、主に就職ついての相談を受けた。留学に行きたいが、留学から帰ってくる時期と就職活動解禁の時期がかぶってしまうので心配であるということだった。以前ラジオで「就職活動の時期が迫っていますが留学に行きたいと思っています。この感情は就職活動から逃避したいがゆえの欲求なのでしょうか?」という相談があったけれども、そこは切り離して考えていいと私は思う。留学したら留学先での経験が、留学しなかったらしなかったで何かしら経験がどこかしらで得られるわけだし、結局は自分次第じゃないと楽観的な考え方をしてしまうので大したアドバイスはできなかった。
彼女はたくさん兄弟がいて、上のお姉ちゃんはもう結婚しているという。母親も結婚が早く、私も早く結婚したいんですと言っていた。田舎は総じて結婚が早い。子を持たない家庭を批判のまなざしで見ているような気がする。そこまで急がなくていいんじゃないのか、なるようにしかならないんじゃないのかな、と思いつつも、将来結婚だの出産だのを経験する自分は、いまの自分と地続きであり、運命の出会いや運命の出産などは無いのだということを念頭において生活しなければならないなと思った。


・7月24日(日)
クリスマスイブ5ヶ月前の日曜日、友達とミュージカルを観にいった。

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三浦春馬小池徹平が主演の『キンキーブーツ』という作品。三浦春馬ドラァグクイーンを演じるというから非常に楽しみにしていた。大学一年のときに取っていたジェンダー論という授業でドラァグクイーンに関するレポートを提出したくらいドラァグが好きなんだけれども、実際めちゃくちゃにガタイのいい男がピンヒールを履きガンガン踊っているのを観たらもっと好きになってしまった。ソニン演じるローレンが小池徹平演じるチャーリーに惚れてしまったときに「どうして恋人がいる人は魅力的に見えるのかしら?」と歌うシーンがあって、先日初めて失恋を経験した私にとっては分かりすぎる曲だった。余裕があって優しい男は妻や恋人や安定した軸があるからこそ魅力的に見えてしまうんだよな、と痛感して握り締めた手のひらに爪が食い込みそうになった。「目の前の他人を受け入れること」「情熱で人を傷つけてはいけない」というすごくシンプルだけど難しいことを乗り越えて一歩前進する人々の話だった。音楽が最高。


・7月29日(金)
翌日が土用の丑の日ということで、厩務員の人と週末の神田に鰻を食べにいった。鰻だいすき。無限にたべたい。仕事終わりのサラリーマンが鰻を食べてる姿がちょっと面白かった。普通に帰るつもりだったのに、途中下車をした。終電がなくなってしまったので深夜ドライブをした。相変わらず夜景がきれいだし相変わらず彼は運転が上手。「一回気持ち悪くなるくらいに鰻たべたいよね」「ときどきちょっとの量だけ食べるからおいしさが際立つんだよ~」

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・8月2日
3年ぶりに浴衣を着た。親友と花火を観にいった。久しく花火大会に行ってなかったので、ものすごい人ごみの中でものすごい花火を見た。打ちあがる花火を見て各々が「きれい~」「すご~い」とだいたい似通ったリアクションをし、一緒に拍手したりとなんとなく一体感のある光景がとても良かった。花火後に浴衣姿でハンバーガーを食べたのも楽しかった。「仕事でも研修でも接する人が違えば対応の仕方も違うし、その都度学べることがある苦じゃない」というようなことを言っていた親友がすごく大人に見えた。

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・8月3日(水)
小学校からの友達とご飯に行った。話す内容が男と就職と一人暮らしに関することばかりで、非常に20代前半特有の匂いを帯びてきた。同い年で、インターネットでの姿も現実での姿も見せている相手は彼女しかいない。なんでも話せる相手なので気負う必要もないし、定期的に彼女と会わないと死ぬんじゃないかと思う。彼女と話していて思ったのは、親から優しくされた経験がないがゆえ、今更他人から少し優しくされるだけで今までの自分が救われるし、初めて自分を肯定されるという経験にまだ身体が馴染んでいないということ。今は毎度新鮮な喜びを持って摂取している「優しさ」という劇薬にそのうち慣れてしまって、傲慢な態度を取るようにならないかがこの先の心配事のひとつなのでした。